住宅ローンの返済比率って?計算方法をわかりやすく解説【審査の核心】

計算する美しい女性

小森谷

返済比率(=返済負担率)は住宅ローンでぶっちぎりで重要なポイントです。上のデータでも重要性のトップになっています。

返済比率ってなに?どう役立つの?

すばる

まずはじめに、返済比率を知るとこんなメリットがあるよ。

返済比率を知ると分かること。

  • なぜあなたがローンに通らないのか
  • 審査に通っても希望借入額よりも減額されてしまうのか
  • どうしたら審査が通過しやすくなるか

がはっきり分かるようになります。

返済比率(=返済負担率)とは・・・年収のうち、毎年のローン支払いが何パーセント占めているかを示すもの。

ここでのローンには、自動車ローン・カードローン・キャッシング・クレジットカードのリボ払い・携帯電話の本体代金の分割支払い・奨学金等も含みます。

小森谷

住宅ローンの支払いだけではないってことがポイントです。

当然ローンをたくさん組んでる人はパーセンテージが上がるよ。”計算後の返済比率の数字”は”低い方が良い”ってことなんだ。

すばる

銀行などの金融機関が住宅ローンを審査する際に、「この人はお金を貸して最後まで無事に完済できるかな?」とチェックするために必須なのです。

MEMO

①ここで言う年収は税金を払う前のものです。サラリーマンの人なら源泉徴収票で一番多い金額の欄が年収です。

②転職して間もない人の場合は、銀行で”見込み年収”の算出方法を用意していますので、それに従って年収が決まります。

③ローン申込人が複数の場合はどうするの?

2人の年収を合算しますので、返済比率で審査落ちしそうな方は2人の方が通りやすくなります。

奥さんが旦那さんの年収を超える場合、それ以上は合算できなかったり、奥さんの年収は50%までしか合算できないなどの縛りが各金融機関ごとに存在します。

銀行によってはアルバイトの合算不可能などもその1つですね。

また、奥さんが借りているローンも含んで計算されますのでそこも要注意です。

④返済比率は金融機関それぞれが規定で定めています。

例)フラット35では年収400万円未満では返済比率30%まで、年収400万円以上で返済比率35%と決まっている。

住宅ローンに甘い銀行は返済比率が35%~40%が多いです。

⑤その他の借入に奨学金とかも含めないといけないの?

日本学生支援機構(JASSO)または旧育英会から借りた奨学金は、基本的に含めないといけません。

滞納がない限り、基本的には銀行に奨学金の存在を感知はされませんが奨学金の支払いをしている銀行で住宅ローンを借りる場合は例外です。

返済比率の計算方法

( 住宅ローン年間支払い総額+その他のローン年間支払い総額 )÷ローン申込する人の年収

※その他のローン→自動車ローン・クレジットカード分割払い・リボ払い・カードローン・キャッシング・携帯代金分割払いなど多岐に渡ります。

これを計算すると1以下の数字になるから、%で表示して考えてね。

すばる

具体的な例①

住宅ローン申込金額3,000万円

申込者の年収400万

返済比率30%まで

住宅ローン年間支払い総額100万円

その他の借入年間支払い総額15万円

の場合。

上記の計算式にあてはめると、( 100万円+15万円 )÷400=0.2875

%で表示すると28.75%ということです。

これは返済比率が30%までに収まっていますね。ということは、返済比率上の審査はOKそうです!という風に判断が事前にできます。

とはいえ返済比率ギリギリなので好ましい状況ではなく、金融機関によっては審査にマイナスに働きそうです。

こんな感じで使われるんですね。

返済比率の意味がわかれば以下のサイトでカンタンに計算できるので、ご自身で計算してみてください。

参考リンク:一般財団法人住宅金融普及協会 返済負担率の計算 シミュレーション

キャッシング枠のあるクレジットカードなどは返済比率に悪影響を及ぼす可能性がある

キャッシングとは、生活費に困ったときにカンタンにお金が借りられてしまう便利なものです。

金融機関によってはこのキャッシング枠を警戒し、返済比率に目いっぱい借りているという前提で審査をする場合があります。

悲観的に考えると、キャッシング枠があればいつでもお金が借りられるので、100万円限度額であればそれだけカンタンに借りれてしまいますよね。

だから金融機関はキャッシング枠を嫌います。

しかもやっかいなのが、利用実績が良いと勝手にキャッシング枠が増やされる点です。

もちろん、気にしない金融機関も存在しますが無数にある住宅ローン提供金融機関を細かく調べるよりもキャッシング枠を減らすなり解約する方が無難です。

対策:住宅ローン審査をする前に不要なキャッシング機能付きクレジットカードは解約してください。

心配であれば事前申告し、「借り入れを今後する気はない」「必要があれば解約しても良い」などと金融機関に伝えるのも良いでしょう。

リボ払い機能付きクレカ持ちの方も、審査に悪影響を受けることが良くあります。

参考記事:リボ払い機能付きクレカの人は住宅ローン審査で苦労します

みみ

すばるに質問。自動車ローンを500万円10年払いにしている人と、自動車ローンを100万円1年払いで借りている人はどっちが住宅ローンに通ると思う?
え。それは100万円借りている人の方が通るんじゃないの?

すばる

みみ

ぶぶーっ。前者の人の方が遥かにローンに通りやすいの。返済比率で考えると前者はその他の借入年間支払い総額で50万円超、後者は100万円超としてみなされるから、もの凄く借入額が減額されることになるにゃ。短期払いローンをよかれと思って組むと、実質その間は家が買えないってこと。もちろん完済できる貯金があれば大丈夫だけど。
そういうことか!!あくまでも銀行は年間支払い総額でチェックをするから返済期間が短いローンを組んでいる人は要注意なんだね。

すばる

できるだけ長期支払いでローンを借りた方が返済負担率上は良い

近い将来家を買うと考えている人は自動車ローンを組む場合、できるだけ長期のローンを組んだ方が無難です。

なぜなら支払い期間を短くすると返済比率に引っかかって住宅ローンが組めなくなります。(=極端に減額されます)

年収400万円の人が3年払いで120万円の車を購入したら、金利も含めて毎月の支払額は35,000円前後です。

つまり年間支払い総額で40万円以上になってしまいます。自動車ローンのせいで返済比率を10%も既に枠を使ってしまうんですね。

そうなると買いたい物件価格に融資可能な金額が全然足りずに終わってしまう可能性が高いです。

上記の場合、ローンを組む理想の順番は、住宅ローンを組んで家を買ってから自動車ローンを組むのがベストです。

同様に、住宅ローン申込みにも好ましい順番がありますよ。

返済比率は銀行によって大きく異なる&審査の甘さ・厳しさに影響

返済比率が大きい=住宅ローンに通りやすくなる

返済比率が小さい=住宅ローンに通りずらくなる

こう言われています。

なぜなら返済比率が小さいほど、お金の借り入れ額を圧縮していかないと審査の土台に乗りません。

返済比率が大きいほど、借り入れ額の枠にも余裕が出ますから、ローンが組みやすくなります。

今の住宅ローンは総合評価・総合的な判断で融資の可否を決めますので、返済比率は非常に重要なポイントです。

厳しい銀行:返済比率25%まで

年収400万円未満は返済比率25%という銀行は散見されます。

規定がない銀行でも、これを1つの判断基準としているところもあるでしょう。

普通の銀行:返済比率30%まで

年収400万円以上だと返済比率30%まで可という銀行は沢山あるでしょうね。

甘い銀行:返済比率35~40%まで

相対的に比較しますと、かなり緩い分類でしょう。

35%でも十分だと考えられるのですが、40%まで許容している銀行もあります。

例えば”ろうきん(労金)”がそうですね。

参考リンク:ろうきん(中央労金)の住宅ローン:仮審査・本審査の基準と落ちない対策

返済比率40%までともなりますと、厳しい銀行に比べて借り入れ金額が2倍近くなるわけで。

返済比率と審査金利のバランスが良い銀行=審査が甘い

基本的に返済比率は最高で40%程度です。

審査金利は銀行だと3~4%が大半です。

これらの数字が甘いと、既にローン支払いをしている人も借りやすく、住宅ローンに通りやすいのですね。

すばる

ねえ、実際に住宅ローンの審査が返済比率と審査金利の点で甘い銀行ってあるのかな?
住宅ローンの審査が甘いという表現は好きではないのですが(Google検索に引っかからないと読者が増えないので仕方なく使ってます)、中央労働金庫とフラット35が私の知る限りオススメかな。”ろうきん”と”フラット”ね。それと信用金庫さんは審査金利が低い傾向が強いです。別の記事で取り扱いますが、特に審査金利がとても良心的なので覚えておいてね。

小森谷

参考記事:住宅ローンとカードローン・キャッシングを合法的にまとめ借りする唯一の方法。

参考記事:住宅ローンと自動車ローン(マイカーローン)を合法的にまとめる唯一の方法。

まとめ

”住宅ローンの返済比率って?計算方法をわかりやすく解説【審査の核心】”というテーマでお話しました。

審査金利が低ければ、住宅ローン融資額は大きく増えます。
また、返済比率オーバーによる減額の問題も通過しやすい。

今回の記事でなぜフラット35やろうきんの審査が通りやすいかの一端がわかったのではないでしょうか?

オススメの各金融機関の記事も追記していきたいと思いますので今後とも宜しくお願いします。

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