高血圧でも一般の団信保険に加入し住宅ローンを組む方法
[say name=”小森谷” img=”https://55smile.biz/240926bk/wp-content/uploads/2019/08/a9f357c06210fb5db7f2cfbf6762d5ec-e1567231372381.jpg”]元保険会社に3年間ほど勤務歴のある、不動産歴8年目のスマイルホームの小森谷です。高血圧に関する医学書を読んだり、生命保険会社の元同僚に色々聞いてきましたので、得られた情報をシェアします。[/say]
高血圧でも一般的な団信に加入することを目指します
つまり、死亡・高度障害のみの保障コースです。
加えてワイド団信のように高い保険料(金利0.3%上昇)を支払うこともなくて済むのが一般団信です。
結論から言いますと、高血圧という同じ病気でも団体信用生命保険OKな人とNGな人に分かれます。
落ちる人と通る人の違いは何なのか?
その差を解説していきます。
審査の引受基準は医学の進歩とともに変化していますし、極秘事項のため公開はされていません・・・しかし、恐らく以下のようなことを見ているのではないかと予測されます。
[list class=”li-chevron”]
- 症状が安定しているか
- 好発年齢
- 発病後の見通し
- 治療期間
- 治療手段
- 再発率
- 合併症リスク
- 障害リスク
- 死亡リスク
[/list]
障害リスクは一般団信と呼ばれる標準仕様の団信では、死亡と一緒に保障されます。
両眼の視力を全く永久に失ったもの
言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの
中枢神経系または精神に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの
胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの
両上肢とも、手関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
両下肢とも、足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
1上肢を手関節以上で失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
1上肢の用を全く永久に失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったもの出典:一般的な団信の高度障害保険金についての重要事項説明
ちなみにフラット35の団信ですと、より緩和された基準でも保険金が出ますので手厚くなります。
さあ、見ていきましょう。
高血圧症は告知事項で必ず問われる
”過去3年以内に下記の病気で、手術を受けたことまたは2週間以内にわたり医師の治療(指示・指導を含む)・投薬を受けたことがありますか。”
■狭心症・心筋こうそく・心臓弁膜症・先天性心臓病・心筋症・高血圧症・不整脈
■脳卒中(脳出血・脳こうそく・クモ膜下出血)・脳動脈瘤・統合失調症・うつ病・神経症・自律神経失調症・てんかん・知的障害・認知症・アルコール依存症
■精神病・双極性障害(躁うつ病)・ノイローゼ・パニック症候群・薬物依存症・不眠症・睡眠時無呼吸症候群
■緑内障・網膜の病気・ぶどう膜の病気・角膜の病気・白内障・眼底出血
■ぜんそく・慢性気管支炎・肺気腫・気管支拡張症・肺結核
■胃かいよう・十二指腸かいよう・かいよう性大腸炎・クローン病・肝炎(肝炎ウイルス感染を含む)・肝硬変・肝機能障害・膵炎
■腎炎・ネフローゼ・慢性腎臓病(腎不全)・前立腺肥大症・のう胞腎・腎(尿路)結石・前立腺の病気
■糖尿病(耐糖能異常含む)・リウマチ・膠原病・貧血症・紫斑病・甲状腺の病気・脂質異常症・高脂血症・高尿酸血症(痛風)・動脈瘤・動脈炎・静脈血栓症
■がん(肉腫・白血病・リンパ腫を含む)・ポリープ・異形成・異型上皮
■(女性の病気)子宮筋腫・子宮内膜症・卵巣のう腫・乳腺の病気(乳腺症ふくむ)
※「2週間以上にわたり」とは、一連の病気やケガで、医師の治療(指示・指導を含む)や投薬を受け、転院・転科を含め、初診から終審までの継続加療期間をいいます。(実際の診療日数ではありません。)
出典:一般的な団体信用生命保険の申込書兼告知書より
私は高血圧症が問われることのない団信の申込書は見たことがありません。
必ず聞かれる質問でして、高血圧なのに答えないと告知義務違反となり万一の場合は保険が出なくなったり、詐欺に問われる(可能性があります。
詐欺に問われる重大ケースでは時効がありませんので、ずっとリスクを抱えて生きることになります。
団信の保険会社によっては、問われない病気もあるが高血圧症は回答必須。
例えば、ガンや高血圧、糖尿病は必ずといっていいほど告知内容に含まれてきます。
調べた限りでは、例外はございません。
しかし、女性の病気である卵巣嚢腫・子宮筋腫・子宮内膜症等は告知事項に該当しないで済む保険会社も存在します。
聞かれない限りは答える必要がありませんので、そうなると格段に団信の通過可能性がアップすると言えるでしょう。
高血圧で団信に落ちる人
①高血圧と診断されたのに、「身体は何ともない。健康だ」と思って通院も投薬も受けていない人
これは最悪です。団信謝絶(=団信落ち)が確実といっても過言ではないでしょう。
[say name=”すばる” img=”https://55smile.biz/240926bk/wp-content/uploads/2019/08/70e183cf13277317cb6ad93b719b92ed-e1567387288921.jpg”]え、なんで?高血圧でも身体はなんともないんでしょ?[/say]
高血圧は放っておくと血管の動脈硬化を起こし、最終的には死亡リスクの高い脳卒中と心不全を引き起こすことがあります。
血圧は血管が広いほど低く、狭いほど高くなります。血管が柔らかいほど低く、硬いほど高くなります。
高血圧を治療していない→動脈硬化になる→脳卒中・心不全になる→死亡または後遺症
脳血管疾患と心疾患は日本人の死因で2位と3位とぶっちぎりでして、高血圧はこれに深く関わっています。
参考リンク:厚生労働省 死因順位(第5位まで)別にみた年齢階級・性別死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合
高血圧が慢性状態に陥りますと、血管障害や左室肥大を生じて臓器障害に至ります。
[list class=”li-chevron”]
- 脳出血・脳こうそく
- 狭心症・心筋こうそく・心不全・心房細動
- 大動脈瘤・大動脈解離
- 慢性腎臓病
- 高血圧性網膜症
[/list]
高血圧は上記のような危険な病気のトリガーになっていきます。
[say name=”みみ” img=”https://55smile.biz/240926bk/wp-content/uploads/2019/08/5a832922bb7d603e273a02b39194f9d4.jpg”]高血圧の行きつく先が、最終的には脳卒中や心不全からの死だから治療している方が好ましいってことなんだ[/say]
保険会社にとって、高血圧の治療を受けていない人はリスクの塊だと見られます。
だから審査に落ちるのです。
高血圧に詳しい参考URL:循環器病情報サービス 脳卒中にもいろいろあります 国立循環器病研究センター 高血圧 日本心臓財団 高血圧と心不全
②最近の血圧値が投薬中にもかかわらず高い
降圧薬(血圧を下げる薬)によって血圧を目標値までコントロールできていないと、リスクが高いとみなされます。
できれば投薬期間を設けて、またその間に自分に合った効果的な薬を見つけて血圧が安定してから審査に挑みたいものです。
高血圧は収縮期血圧(上の血圧)と拡張期血圧(下の血圧)の数値によってリスクが低~中~高リスクと分類され、数値が高いほどリスクは高まります。
血圧をどこまで下げるかは年齢によっても異なります。
高血圧に詳しい参考URL②:日本高血圧学会 オムロン 高血圧の新基準とは
高血圧でも団信に加入OKな人
③薬を飲んで血圧をコントロールできている人
薬を飲んでいる方がダメかと思いきや、飲みながら血圧を抑えている方が好ましいということです。
②の反対ですね。
血圧をコントロールできているということは、血管に負担をかけずに済むため、動脈硬化のリスクを軽減できているといえます。
動脈硬化が進行しなければ、重病である心臓病や脳卒中にはなりにくいでしょう。
そのため、審査に通過しやすいと言えます。
さらに高血圧でも審査に通りやすくするために1つ、裏技をお伝えします。
直近の健康診断結果・人間ドック検査結果を添付することで高血圧以外の病気にはなっていないことを証明するのです。
団体信用生命保険では告知書に健康診断結果や人間ドックの検査結果を添付してはいけないというルールはありません。
そのため、”別紙参照”として、添付が可能です。
高血圧は腎臓病等が原因で起きるケースも1割あり、これを二次性高血圧と言います。
このケースに該当することを保険会社が否定できないと、落ちやすいと考えられます。
健康診断結果を添付することで要らぬ疑いを回避することが目的です。
高血圧でチェックされるポイント5つ
団信の告知書は正直かつ正確に書くのが鉄則です。
最も重要なことなので何度でも書きますが、不足情報が無いようにすると、審査が通りやすくなります。
不足情報あり→審査担当者は万一の時の責任問題を考えて、最悪のケースを想定されてしまうからでしたね。
■飲んでいる薬と用法用量
→薬の強さ・弱さと用法用量に加えて、高血圧以外の薬が含まれていないかもチェックされます。
[say name=”小森谷” img=”https://55smile.biz/240926bk/wp-content/uploads/2019/08/a9f357c06210fb5db7f2cfbf6762d5ec-e1567231372381.jpg”]おくすり手帳を作っている人は持ってきてください。正確な記述に役に立ちます。[/say]
例えばアムロジン(アムロジピン)等、高血圧の薬には名前がついています。
それを必ず書きましょう。
書かないと保険会社の審査担当者は(最悪のケースを想定し)より厳しく判断せざるを得ません。
参考:代表的な高血圧の薬
一部をあげてもこれだけあるのですから、おくすり手帳は必須ですね。
Ca拮抗薬:ニフェジピン、ニカルジピン、アムロジピン、マニジピン、フェロジピン、シルニジピン、ニトレンジピン
β遮断薬:プロプラノロール、アテノロール、メトプロロール
ACE阻害薬:カプトプリル、ペリンドプリル、エナラプリル、アラセプリル、リシノプリル、イミダプリル、テモカプリル
ARB:アジルサルタン、イルベサルタン、オルメサルタン メドキソミル、カンデサルタン シレキセチル、テルミサルタン、バルサルタン、ロサルタンカリウム
チアジド系の利尿薬:インダパミド、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、メフルシド
■最近の血圧状況:上の血圧と下の血圧
→団体信用生命保険の告知書で高血圧にあたる場合、血圧数値は必ず記入します。
家を近々買おうとしている方は、健康診断や定期通院にはリラックスして行ってください。
ストレスを感じていると血管が収縮してしまい、無駄に血圧が高くなり損です。
[memo title=”MEMO”]降圧目標とは?
高血圧の患者は一律この数値まで血圧を下げていきましょうという基準ではないようです。
降圧目標が厳しい患者の順番は以下の通りです。
糖尿病患者・CKD患者>若年~中年~74歳くらいまでの患者>75歳以上の患者
というわけでして、糖尿病患者やCKD患者が最もシビアな降圧目標を設定されているはずです。
加齢と共に降圧目標も緩くなるとも言え、審査でも当然ここら辺を踏まえて判断されることになると考えられます。
[/memo]
■治療期間
→治療をスタートしたきっかけも書くと良いでしょう。自覚症状があったのか、健康診断での指摘かなど。
■医療機関名
→内科・外科・皮膚科・耳鼻咽喉科・市立病院・大学病院などなど、どこのお医者さんに診てもらっているかも覚えていれば書きます。
■完治した場合、通院しなくなった理由をしっかり書く
→生活習慣を正した結果、薬を飲まずとも高血圧基準(一般に140/90mmHgを指す)を下回って医師の判断によって薬を飲まなくてもOKとなる方がいるらしいのです。
[say name=”小森谷” img=”https://55smile.biz/240926bk/wp-content/uploads/2019/08/a9f357c06210fb5db7f2cfbf6762d5ec-e1567231372381.jpg”]これは教えてもらうまで知らなかった事実でしたので、大変勉強になりました!生活習慣を正すことで投薬不要となることもあるんですね。[/say]
その場合でも、投薬不要となった経緯を書く必要があるということです。
以下の記事にも生活習慣を正すことで降圧薬を飲まずに済むことは可能と書いてあります。
高血圧の参考URL③:三豊・観音寺市医師会 ■ 血圧の薬ってのみ始めたらやめられないの?
番外編:白衣高血圧
普段の生活では正常な血圧なのに、病院に来ると高血圧になってしまう方がいます。
これを白衣高血圧と言いまして、病院での不安感・緊張からそうなってしまうと言われています。
これは団信の告知においても損ですから、リラックスして血圧検査は受けたいものです。(節酒や禁煙も数値改善に効果があります。)
白衣高血圧は経過観察を要するもので、リスクとしては常時高血圧の方よりも低く見られる可能性があります。
よって、白衣高血圧といわれたのなら、それも含めて書いた方が良いと考えます。
まとめ
今回は”高血圧でも団信保険に加入し住宅ローンを組む方法”というテーマで解説しました。
血圧が安定している方は、今回の記事を参考にすることで審査が通りやすくなるはずです。
最終手段としては、金利上乗せして加入するワイド団信、フラット35で団信無しルートなど色々と考えることが可能ですが、それは別の記事にて攻略していこうと思っています。(もう書くの疲れちゃったよ・・・)
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