建売住宅の値引き交渉をスムーズに行う方法。成功例と失敗例つき
[say name=”すばる” img=”https://55smile.biz/240926bk/wp-content/uploads/2019/08/70e183cf13277317cb6ad93b719b92ed-e1567387288921.jpg”]建売住宅の購入申込みする前に、知っておきたいことについてまとめたよ。[/say]
そもそも新築一戸建ての価格交渉は可能なのか
結論:可能。しかし、絶対に値引き交渉のための”理由”(=根拠)がいります。
なぜ建売住宅を販売する売主と価格交渉をするのに理由が必要なのか。
新築一戸建て・分譲住宅を提供する売主は大きな会社組織です。
特に飯田グループ(アーネストワンや一建設などの有力企業6社)を指してパワービルダーと呼ばれています。建売住宅の販売実績数が特に多い会社のことです。
そして価格交渉・値引き交渉は会社の売上にかかわる超重要なポイント。
当然、価格交渉が入れば担当者は上司へ報告をしますね。
さあ、そこで行われる会話を想像してみましょう!
現場担当者「ご報告です!久喜市本町の2期現場の8号棟に購入申込みがありました!」
営業所長「おお、良い知らせだね!金額は満額だろうか?」
担当者「いえ、50万円の値引き希望です。」
営業所長「そうか。値引きを希望する理由は?」
担当者「(そういえば、相手の不動産会社何にもまともな理由言ってこなかったな・・・)な、なんとなく下げてほしいとのことです!」
営業所長「ヽ(`Д´)ノダメっ!!!」
これじゃいけませんよね。
上司に報告する体裁をなしていませんので、価格交渉が成立しません。
わざわざ理由もなく値下げしたり、ボランティアではないのだから出来ません。(そりゃそうだ)
会社によっては価格交渉はすべて”社内稟議”を通す必要がある場合、事前に上司に許可されて販売責任者が”値下げ交渉枠”を持っている場合などマチマチです。
※販売責任者が値下げ交渉枠を持っている場合は、ある程度利益に余裕のある物件であることが多いため、成功率は高いです。
営業所によって別会社のようにやり方が変わる場合もあります。
どちらにせよパワービルダー(=新築一戸建てをたくさん売る会社)は良い家と良い土地を適正な価格で販売することで利益を得ています。
つまり一般的な建設会社よりも遥かに一棟あたりの利益金額は低いわけです。
なら、なおさらシビアに考えなくてはいけませんね。
価格交渉するなら理由・根拠が必須、その意味がわかりましたでしょうか。
そういった理由・根拠を上手に説得力をもって伝えるのが不動産会社の担当の役目ですから、そこは信頼できる営業担当さんに任せましょう。
そのためには、あなたも正直・誠実に営業担当者に聞かれたことは答えましょう。そうでないと、営業担当者は売主さんを説得するストーリーを用意できません。
[say name=”みみ” img=”https://55smile.biz/240926bk/wp-content/uploads/2019/08/5a832922bb7d603e273a02b39194f9d4.jpg”]売主側の販売担当さんが社内の上席に伝えやすいような価格交渉理由を考えるのは、不動産会社の営業さんの仕事なんだね。[/say]
値下げ交渉する前に抑えておきたい大事なこと
[say name=”小森谷” img=”https://55smile.biz/240926bk/wp-content/uploads/2019/08/a9f357c06210fb5db7f2cfbf6762d5ec-e1567231372381.jpg”]売主さんに「このお客さんなら真剣に価格交渉を検討しなくては」と思ってもらえる準備をしましょう。
具体的には値引き交渉をする前に以下の3点を抑えます。[/say]
事前に住宅ローン審査を通しておく
住宅ローン審査を既に通過していること。
これは交渉のテーブルにつくための必須条件です。
なぜか?以下のような効果があります。
・不動産の売買契約前に住宅ローン審査が通っている、その意味とは?
→住宅ローン審査通過していない人よりも信頼があるため、優先的に扱われる。
※同時期に購入申込みが複数入った際にも、交渉の順番が先になるなど有利な立場となります。
→真剣に「買いたい」という気持ちが伝わる。売主さんから見てもこういうお客さんは適当にはあしらえません。
→住宅ローン審査否決による心配がない。安心して契約できるお客様とみなされる。
[say name=”すばる” img=”https://55smile.biz/240926bk/wp-content/uploads/2019/08/70e183cf13277317cb6ad93b719b92ed-e1567387288921.jpg”]逆に言えば、契約はしたものの住宅ローン審査で落ちてしまって結局解約となる人も多いってことだよね・・・[/say]
購入申込書をちゃんと書いてから交渉する
電話一本で「これ、なんとか価格下がりませんかね?」なんてのはダメです。
購入申込書(=買付証明書ともいう)を丁寧に正直に書いて、売主さんに送ってから交渉するのです。
※ちなみに、嘘は書いても大体バレてしまいます。売主さんとの信頼関係を後々になって壊さないように、正直に書きましょう。
なぜ購入申込書が必要なのか?
価格交渉のような問い合わせをされるのは売主さんにとって日常茶飯事です。
「いくらか値下げしてもらえんかなー」と思って探り(さぐり)の電話をする不動産会社への対応は大体決まっています。
売主さんに「購入申込書を書面にて提出してください。そうすれば正式な回答をさせていただきます。」と返されます。
そう、購入申込書こそ唯一の本気の証なのです。
契約日から引き渡し日までのスケジュールを事前に組み立てておく。
[say name=”すばる” img=”https://55smile.biz/240926bk/wp-content/uploads/2019/08/70e183cf13277317cb6ad93b719b92ed-e1567387288921.jpg”]え?引き渡しまでのスケジュール?これが価格交渉と何の関係があるの?[/say]
[say name=”小森谷” img=”https://55smile.biz/240926bk/wp-content/uploads/2019/08/a9f357c06210fb5db7f2cfbf6762d5ec-e1567231372381.jpg” from=”right”]うん、関係大アリだよ。[/say]
価格交渉・値引き交渉の際に必ず売主さんに言われるのが「月末までに引き渡しが可能ですか?」「遅くとも1か月以内に引き渡しまでのスケジュールが組めますか?」
これなんです。売主さんの立場で考えてみましょう。
売主さんからすると引き渡し日(=決済日)は、お客さんからお金を貰う日なのです。
要は資金回収ができるわけですね。
土地の仕入れから引き渡しまでのスパンを短くすること。
つまり回転率を高めることで飯田グループホールディングスなどのパワービルダーは経営を安定させており、それが株主からも高く評価されています。
だから引き渡しまでのスケジュールは早めなくてはなりません。
契約した後はゆっくり準備したい、という方は価格交渉で相当不利になります。
なお、購入申込書から契約日までのスパンはどんなに長くても1週間が目安です。
ここも早めるに越したことはありません。
一番契約率が高い土日をまたがないように売主に言われることが多いのが実状です。
”ダメでもともと”の精神で値引き交渉する。
はい、これで値引きしてもらう前の準備は完璧です。
[say name=”みみ” img=”https://55smile.biz/240926bk/wp-content/uploads/2019/08/5a832922bb7d603e273a02b39194f9d4.jpg” from=”right”]価格交渉について、一言だけ真理があるにゃ。”価格交渉をする権利は誰にでもある。”ということにゃ。ダメ元で価格交渉をやってみるというのは何も交渉しないよりも良いかもにゃ。[/say]
そう、価格交渉する権利はあるのですがダメ元くらいがちょうどいいのです。
「値引き成功して当たり前」の気持ちでは、思い通りにならなかった場合、不満が残ります。
気持ち良く取引をするためにも、ある程度心に気持ちをもって値引きに臨みましょう。
成功事例集
売主が売りたい時期に買う。
決算期などの特別な時期、また3か月ごとに訪れる四半期決算のシーズンを利用しない手はありません。
売主が売りたい時期というのは、必ず毎年決まって訪れます。
これを利用しない手はないでしょう。
参考記事:建売パワービルダーの決算期が到来、値引き交渉のコツ
予算がどうしても足りないと伝える。
もともと他の候補物件にて事前審査を通していて、なおかつ購入申込する家の価格よりも住宅ローン貸出の金額が低い金額である場合に有効な方法です。
※年収が買いたい物件に対して余裕があり過ぎるとこの理由は使えません。
もともと探していた予算帯を少しオーバーしている物件にお客さんが惚れてしまうことはあります。
中古物件を考えていた人が新築派になるときも予算オーバーは良くあります。
そんな時に売主さんへ正直に今までの家探しの経緯、予算帯、今の家賃額、そして年収等を伝えます。
売主さんが「なるほどな、今の価格だと踏ん切りがつかないのも分かる。背中を押してあげたい。」と思ってくれれば、条件を呑んでくれます。
ニュアンスは難しいのですが、決して”無理な借入を前提として住宅ローンを組む”ことが必要なのではありません!
現状の年収・家族構成や家探しの経緯を踏まえて「よし、ならば値下げに応じようか」と売主さんが思ってくれるような”伝え方”が大事なのです。
[say name=”すばる” img=”https://55smile.biz/240926bk/wp-content/uploads/2019/08/70e183cf13277317cb6ad93b719b92ed-e1567387288921.jpg”]やっぱり切実な理由がないと価格交渉って難しいのかな?[/say]
[say name=”小森谷” img=”https://55smile.biz/240926bk/wp-content/uploads/2019/08/a9f357c06210fb5db7f2cfbf6762d5ec-e1567231372381.jpg” from=”right”]そんなこともない。汎用的な成功事例もご紹介しますよ。
むしろ以下のパターンの方が多いですから。[/say]
売主側が優先的に売りたい物件を買う
具体的には
・北側道路に接している物件
・間口の狭い物件(旗竿地・敷地延長・路地敷地とも呼ばれる)
・三角地や台形地などの変形した土地
・傾斜地(高低差がある土地)・擁壁のある土地など
・嫌悪施設が近い物件(墓地・風俗店・葬儀場・学校など)
※ゴミ置き場が近いなども大きな理由となります。
・10棟前後~数十棟規模の開発分譲住宅地で、最後の1棟(上記の中で最強です。)
※ただし、検討時に最後まで売れ残った理由をしっかり売主さんへ聞き取りします。
[say name=”小森谷” img=”https://55smile.biz/240926bk/wp-content/uploads/2019/08/a9f357c06210fb5db7f2cfbf6762d5ec-e1567231372381.jpg”]過去の事例だと「ラスト1棟物件が”不審死”のあったところだった」というのがありました。物件の調査は大事ですよ。[/say]
こういった物件は、「売れ残りやすい傾向」にあるため価格交渉がしやすいと考えられます。
上記のような物件は、特段の立派な理由がなくても価格交渉が成功しやすいです。
”不人気だ。売れにくい傾向にある”というデータそのものが、売主さんにとっても価格交渉を検討する理由となるからでしょう。
だいたい、世の中でハウスメーカーに広告されている新築住宅の間取りや写真は南側道路に接道する日当たりの良い物件です。
玄関と大きな窓とバルコニーが全てセットに写っていたら、南側道路の土地だといえるでしょう。
[memo title=”北側道路の家のメリット・デメリット”]
メリット:価格が安い。
道路側から家の中を覗かれることなく、プライバシーが守られている。
→南側道路だとリビングも道路側から丸見えです。お散歩が高齢者の方に流行っている時代、リビングから目が合ってしまうのが嫌という方も。
北側に玄関があるため、その分大きなリビングが南側にできる。→北側に水回りと大きな玄関スペースがとれて、南側にリビングと和室がついてくるなど、間取りが魅力的なものが多いんですよね。
デメリット:1階の日当たりが悪い。
→2階は市の規制にもよりますが、日当たりに問題がない場合がほとんどです。
駐車場スペースが狭い。
→できるだけ日当たりを良くするため南側に空間を作る=北側の車庫部分が狭くなります。
北側からの外観がマイナスポイントになる人も。
→普段出入りする北側玄関からの眺めは小さめの窓が多くなります。
[/memo]
競合物件を引き合いに出して交渉する
近隣に条件の近い販売中の新築一戸建てがある時に有効です。
売主側の心理:競合物件が多いと販売計画に苦戦を強いられる可能性が高くなる。
実際に先に売れた物件と後で売れた物件の値段が大きく異なり、明暗を分けることも散見されます。
そんな状況のとき、購入申込をするお客さんが出たら、断りにくいですよね。
値引きの目安は?
一般的にパワービルダー(=建売住宅を作っている会社)の値付けは価格交渉を意識している部分があります。
物件価格2480万円とか、2498万円とかチラシで良く見ませんか?
前者なら80万円、後者なら98万円が端数といって、値引きの目安です。
キリの良い数字にもなるので、これを目標に売主さんへ相談することが実務上多いですね。
購入申込書を送って待っていると売主さんから
「100万円は厳しいですが、80万円ならOKです」
などの提案が来ることも多いので、そこで購入可否を最終的に決断しましょう。
オプション商品をサービスしてもらう
具体的には新築一戸建てについてない必須の装備を無料サービスしてもらえないかと購入申込書の条件欄に書きます。
網戸・カーテンレール・照明器具・エアコン・カーポート・ベランダ屋根・テレビアンテナ・フロアコーティング工事等が該当します。
50万円で提供しているエアコン・網戸・ベランダ屋根セットがあるとして、売主側からすれば利益を乗せています。
なので売主側もこの申し出であれば原価で付けれるので現金値引きよりもお得だし、お客さんも必ずつけるものを希望するのであれば現金で引いてもらうのと同じ効果。
お互いに得ですのでまとまりやすいのです。
失敗事例集
人気のある物件だった
この場合は素直に諦めるしかありません。
毎週土日に現地販売会にお客さんが絶えない状況では値引きは難しいです。
現実的なのは購入金額満額とし、網戸などの追加工事サービスをダメ元で書くこと。
※とはいえ現金で10~30万円くらいのプチ成功は経験があります。
タイミングが悪すぎた
価格交渉が難しいタイミングは避けましょう。
以下が価格交渉しづらい時期です。
・建築途中の物件
・販売開始直後の物件
この2つはこれからお客さんを呼び込む時期でもあり、わざわざ価格交渉を受けてまで販売するという選択肢に売主側もなりません。
なぜなら販売スケジュールに猶予があるためです。
よって、価格交渉は完成物件から選定します。
逆にチャンスなのは、
・完成から2~3か月が経過する物件
・完成後、直近1か月以内に価格改定がされていない物件
・完成から1年近くが経過しつつある物件(完成半年以上~)
※完成から1年経過で”中古物件”の扱いにグレードダウンします
・値下げが行われずに”足場が外れた”(=家の外観が完成し外構工事をする時期)、”完成した”などの重要な節目の物件
上記のような物件は売主側が「そろそろ値下げを検討する必要があるかも」と思っています。
そんな時に検討客が現れれば、真剣に価格交渉を受け入れてくれる可能性が上がるのです。
冷静に時期を見極めましょう。
過剰な値下げ要求
価格交渉は100万円以下程度が1つの相場であり、目安です。
200万円を超える金額となると、売主側の反応はどうなるでしょうか?
経験を踏まえて結論から言いますと
売主側の担当者が「この話はさすがに上司に持っていけない」と購入申込書をしまい込んでしまうか、上司に即答で却下されて終わってしまいます。
そうなると、もう話が続きません。
本来なら売主側から
「100万円の値引きは厳しいが、70万円ならどうですか。お客さんに伝えてみてください。」
などの誠実な回答が来ます。
お客さんはそこでその提案に応じるか、契約を諦めるかを決めることができるのです。
呆れられてしまうとその回答すらしてくれなくなります。
経験のある営業担当者にアドバイスを受けながら、絶妙な割引交渉をしていくのが重要ですよ。
[say name=”みみ” img=”https://55smile.biz/240926bk/wp-content/uploads/2019/08/5a832922bb7d603e273a02b39194f9d4.jpg”]行き過ぎた要求は結果的に損をしちゃうんだニャー[/say]
ちなみに、新築一戸建ての現地販売業者がお客さんへの営業トークで
「200万円値引きできますよ」
などと言う場合があります。
この場合、現地販売業者の思惑は「とにかく購入申込書を書かせること」です。
それが契約への最短経路となるからです。
実際に値引きできるかは売主側、しかも営業所長・エリア長・事業部長・専務・社長等の決裁権限を持つ人でないと実際にはわかりません。
売主が自ら現地販売をしている場合を除き、現地販売業者はあくまでも売主に現地での販売を委託されただけですから、値引き権限もなければ特別な価格交渉枠もありません。
お客さんに購入申込書を書かせて、実際は裏で現実的な金額に書き換えて売主に書類を送っていることもあります。
価格交渉以外にも、マイホーム購入費用を抑えるポイントはたくさんあります。
冷静に考えて行動してください。
地場の建売住宅販売会社が売主
今までのお話は全国展開をしているパワービルダー(=新築一戸建てを大量に供給している会社)での話です。
中小規模の建設会社等が売主の場合は話が変わってきます。
まとめ
今回は”建売住宅の値引き交渉をスムーズに行う方法。成功例と失敗例つき”についてのお話でした。
価格交渉は重要なポイントを抑えて行うことで、成功率を大きく上げることができます。
またお得に家を買うのは価格交渉だけでなく、以下の点にも注意です。
・不動産会社に支払う仲介手数料と住宅ローン代行手数料を節約する
・自分に最も有利な住宅ローンで借り入れをして金利・保証料を節約する。
・我が家に最低限に必要な補償を考えて、火災保険料を節約する。
上記をしっかり取り組めば、少なくとも100~200万円の節約が可能です。
こちらも買い手の方に勉強してもらい、良い暮らしを実現してほしいと思っています。
[card2 id=”1676,2572″]
参考記事:家の費用を全て解説!諸費用・住宅ローン・税金・維持費まで!
下記よりLINEでお気軽にお問い合わせください。