あなたは市街化調整区域にコンビニがある理由を知っていますか?どうして大きな道路沿いにばかり建っているかの答えとは。

あなたは市街化調整区域にコンビニがある理由を知っていますか?どうして大きな道路沿いにばかり建っているかの答えとは。

[memo title=”いきなり結論”]

国道・県道・幅員の広い市町村道などに接する土地では、ドライバーの休憩所としての役割を果たすコンビニエンスストアやドライブインの建築が許可されます。

また、運転するための必須施設として給油所が求められることからガソリンスタンドを建築する許可も同様に出ます。

これらは厳しく建築を制限されている市街化調整区域にもかかわらず、建築可能となっています。

[/memo]

上記の結論は、都市計画法34条9号という法律から来ているんです。

したがって、この法律を理解すると道路沿いの田んぼや畑がいきなりコンビニやガソリンスタンドになった理由もわかるというわけです。

市街化調整区域にコンビニができる根拠の都市計画法34条9号をわかりやすく解説

第三十四条 九 

前各号に規定する建築物又は第一種特定工作物のほか、市街化区域内において建築し、又は建設することが困難又は不適当なものとして政令で定める建築物又は第一種特定工作物の建築又は建設の用に供する目的で行う開発行為

出典:都市計画法 e-Govウェブサイト 法第34条第9号

上記で言わんとしていることは、このままでは全く明確ではありません。

元となる法律がこれでは、意味不明ですよね。

これを、下記のように政令で補っています。

(市街化区域内において建築し、又は建設することが困難又は不適当な建築物等)
第二十九条の七 法第三十四条第九号(法第三十五条の二第四項において準用する場合を含む。)の政令で定める建築物又は第一種特定工作物は、次に掲げるものとする。
一 道路の円滑な交通を確保するために適切な位置に設けられる道路管理施設、休憩所又は給油所等である建築物又は第一種特定工作物
二 火薬類取締法第二条第一項の火薬類の製造所である建築物

出典:都市計画法施行令 e-Govウェブサイト 政令29条の7

これらをまとめますと、道路の円滑な交通に役立つであろう休憩所・給油所が市街化調整区域で建築できるものとして認められるということです。

火薬類の製造所も建築OKですが、これは我々のような一般市民ではほぼ関係無さそうです。

とはいえ、道路沿いならどこでもガソリンスタンドやコンビニが開業できるとなっては、市街化調整区域の土地を活用したい地主さんはみんな建築しようとするかも知れません。

[say name=”すばる” img=”https://55smile.biz/240926bk/wp-content/uploads/2019/08/70e183cf13277317cb6ad93b719b92ed-e1567387288921.jpg”]道路沿いの市街化調整区域の土地がみんなコンビニになったら、コンビニ大戦争が起きそうだね。[/say]

そのため都道府県によって、実際に立地できる土地は条例によって制限が加えられているのが実情です。

以下で具体的な審査基準を見てみましょう。

埼玉県の審査基準:国道や県道沿い等に限る

埼玉県では国道・県道沿いの市街化調整区域の土地であれば、コンビニエンスストアやドライブイン、さらにガソリンスタンドの開発・建築を許可されることになります。

市街化調整区域の土地での建築には、ほぼ例外なく開発許可が必要ですが、これらの施設はドライバーにとって有益であるため建築の許可がでるわけですね。

また、国道・県道に交差・接続する幅員12メートル以上の市町村道についてもコンビニエンスストアやガソリンスタンドが建てられます。

詳しくは埼玉県庁ホームページの開発許可制度の解説(平成27年10月版) 第8章 市街化調整区域の立地基準で根拠となる条例を確認できます。

市街化調整区域でコンビニがなぜ建てられるのか?

これは道路を利用する運転手・ドライバーにとって、コンビニエンスストアが実質的にドライブインと同じように使われているからです。

つまりコンビニは運転の疲れをとるための休憩所として、現代では必須な要素になっています。

[say name=”みみ” img=”https://55smile.biz/240926bk/wp-content/uploads/2019/08/5a832922bb7d603e273a02b39194f9d4.jpg”]トラック運転手の人は、国道・県道沿いにコンビニがないと困っちゃうものね。[/say]

長距離ドライブ中にトイレ休憩するとしたら、コンビニかガソリンスタンドの2択という方が多いでしょう。

これを国が「市街化調整区域だから絶対コンビニは建てさせない!」となったら、国道・県道沿いのドライバーは休憩できるお店が激減してしまい、困ったことになるのは間違いないです。

そういった理由から、「許可制で建築しても良いですよ。」ということにしているんですね。

市街化調整区域でガソリンスタンドがなぜ建てられるのか?

国が「市街化調整区域だから、ガソリンスタンドなんて建てちゃダメ!!」としたらどうなるか?

国道・県道沿いの何万・何十万人のドライバーは、油切れの度に「やばい、街中に行って給油しなくちゃ!!スタンドはどこ?」となって不便極まりないです。

[say name=”小森谷” img=”https://55smile.biz/240926bk/wp-content/uploads/2019/08/a9f357c06210fb5db7f2cfbf6762d5ec-e1567231372381.jpg”]国道・県道沿いなんて、大体が市街化調整区域のエリアだったりしますからね。[/say]

大型トラック横転手に至っては、道が狭い街中の給油所は利用さえ出来ないかもしれません。

これでは日本の物流は混乱し、あなたが注文したAmazonの商品は翌日に届くのは困難になるかも。

こういうわけで、市街化調整区域であっても必要なものだから、ガソリンスタンドを建てることのは許可されるんですね。

まとめ

今回は”あなたは市街化調整区域にコンビニがある理由を知っていますか?どうして大きな道路沿いにばかり建っているかの答えとは。”というテーマで解説しました。

建築についてはとにかく厳しい市街化調整区域ですが、詳しく法律を調べていくと「みんなが必要としているもの」については建築可能な例があることが分かります。

今回は、その代表格が国道沿いのコンビニでしたね。

コンビニエンスストアは、別の理由でも市街化調整区域に建築可能です。

大きな道路沿いでもないのに、市街化調整区域にコンビニがあれば、上記のパターンです。

身近な建物が、どうして建築可能だったのかという理由を突き詰めていくと意外な発見があったりします。

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