この記事は次のような人に向いています:住宅ローンを組む人全般・新築一戸建て・中古物件を探している人
家づくりを考えたら、最優先で行いたいのが資金計画と住宅ローン事前審査
すばる
みみ
家探しより前に無理のない資金計画を立てることがポイントでした。
参考記事:事前審査で早めに住宅ローンを通すべき3つの理由を解説 ~新築一戸建て・中古物件編~
注文住宅を建てる人は、まず展示場に行くかネットで情報を集めて一括資料請求サイトで資料請求をすることが多いのではないでしょうか?
それも良いのですが、まず家づくりをするには資金計画を立てて、自分で35年間の住宅ローンを確実に支払っていくための予算を決めねばなりません。
資金計画とは自分の収入、毎月貯金に回せる金額、将来かかる家の維持費、避けられない将来の出費(教育資金と老後資金)を明確にしていくことです。
資金計画がしっかり出来ていると、住宅ローンを借り過ぎて将来困る要素が激減しますので、やる価値はあります。
逆にこれが出来ないと、自分の支払い能力を超えた豪華な家を建てすぎて、年金生活者になる65歳以降も住宅ローンを抱えたり、老後資金のないまま老年期に突入する可能性が高まります。
参考記事:家探し前に10分で出来る資金計画。ぴったりな毎月の支払い額とは?わかりやすく解説。
具体的な資金計画の立て方はこちら。
無理のない住宅ローン返済計画を立てたら、事前審査を受けよう
無事に資金計画の見通しが立てられたら、初めて事前審査を受けます。
資金計画が出来たら、「支払いは毎月10万円まで、借入総額は4,000万円までが限度」等、はっきりした数字が見えてきます。
ここでポイントなのが、その限度額いっぱいか200~300万円多めに借入金額を希望して事前審査を受けることです。
わざわざなぜそうするかというと、特に注文住宅では建設費・諸費用が想像以上に高額になって予算オーバーを起こし、事前審査を再度受けることになるパターンが多いからです。
住宅ローンは借入希望額を超えた場合、”再審査”扱いとなりローンの出し直しとなります。
そうなると4,000万円で通っていても、4,200万円で通るとは限らないわけです。
面倒くさいですね。
ちなみに逆は全く問題なく、希望借入額を減らすのは住宅ローン契約前であれば大丈夫です。
だから多めに希望額を出してもデメリットはないわけです。
(※返済比率がギリギリで、住宅ローン審査に不安要素がある人は別です。細かい話は下記の記事にて解説しています。)
参考記事:住宅ローンを借りる前に、返済比率(=返済負担率)と審査金利を知っておくべき理由を解説。
事前審査に無事受かったら、晴れてハウスメーカー・工務店巡りをスタートするのがオススメルートとなります。
もうおおよその予算が決まっているのですから、建築可能なハウスメーカーや工務店も絞られますし効率良く相談ができることでしょう。
これが逆で、まず展示場周りをしてから資金計画を立てたらどうだったでしょうか?
ハウスメーカーの営業マンは営業成績のため、「出来るだけ高額の建物契約を結びたい」立場にいるのですから、適切な資金計画を立てるという意味では相談するのは危険です。
基本的にどんなお客さん相手でも「家を建てるのは全く問題ありません」「お客さんくらいの年収なら皆さんこのくらいの予算にしてますよ」と言った感じにバイアスがかかったまま話が進んでしまいます。
特に「みなさん、こうされています」はキラーワードです。
となると、絶対的な予算は自分で決めるのが最も良いということになります。
住宅ローンは人生最大の買い物です。しかも支払っていくのは自分。
営業マンは売ったあとは住宅ローン支払いという点では一切関わりもありません。
利息や保証料も100万円単位でかかるわけですから、真反対の立場にいる営業マンの言いなりにはならないようにしたいところ。
でも、相談相手として頼りになるところもあるし・・・と。
そんな感じで多くのお客さんは身の丈を超えた住宅ローン借入額を「大丈夫。これくらいなら払える。」と錯覚していきます。
確かに今は払えるでしょうが、70歳過ぎの完済プランでは60歳以降の年収激減期をどうするの?退職金一括返済?など疑問が残ります。
退職金は老後資金に充てるのが本来の使い方ですので、やはりお金のプロに相談しておけばよかった・・・と後悔しないようにしたいですね。
土地を持っていない人は、ハウスメーカーより先に不動産会社に行きましょう。
これにはいくつか理由があります。
ハウスメーカーは宅建業者ではないことが多く土地情報に関しては不動産会社に劣る。
宅建業者になると、レインズと呼ばれる不動産会社だけが利用できる不動産情報総合サイトを利用できます。
皆さんが良く見るスーモ・ホームズ・アットホームにのっている物件の大半はレインズの情報を元にした広告なんですね。
ハウスメーカーで土地探しを依頼する=土地だけ買わせてもらうことは無理。
ハウスメーカーの営業マンは「自社で建ててもらう」ことを大前提に土地情報を提供しています。(当然ですよね?)
良い土地であっても、そこのハウスメーカーを気に入るか、予算に合った建物ができるかは別問題。
ややこしい話になるだけなので、土地から探す方は不動産会社にまず相談しましょう。
土地が無いと相手にされないという事実。
ハウスメーカーの営業マンは常に契約件数を上げることに追われています。
数字を上げなければ、会社にいることは難しくなるからです。
だから、効率良く数字を上げられるお客さんに力を注ぎます。
それは「既に土地を持っているお客さん」のことです。
そうなると、土地が無いお客さんは二の次になる可能性が高いのは分かりますでしょうか?
これは事実であり、仕方のないことなんです。
土地をこれから探していく人は、土地を買えなければ一生家を建ててくれないわけですから・・・
もちろん、どこの会社も表向きの対応は素晴らしいことが多いですよ。
しかし営業活動の裏で、こういった現実からランク付けがされるということです。
土地を持っている人には熱意を持って臨み、土地を持ってない人には熱意が半減する可能性が高いのはご理解頂けましたでしょうか?
ちなみに資金計画については、正直言って大きく各社で対応が異なります。
一般的に言うと、「住宅ローンが通れば十分」「楽に手続きできる提携ローンにしてもらいたい」と考えている営業マンが多く、「ちゃんと完済できるのか」という視点まで含めて親身にアドバイスをしてくれる人は稀でしょう。
不動産の専門家ではあっても、お金の専門家ではないので仕方ない部分もあります。
これは、ハウスメーカーの営業マンでも同じです。
住宅展示場でちゃんとした対応を受けられる
上記プロの視点でも解説したことに繋がりますが、営業マンは買えないお客さんには興味がありません。
つまり住宅ローンを組めないお客さんはお客さんじゃないってことです。(キビシー)
みみ
実際の私の体験談として、「住宅ローンの事前審査、実はもう5,000万円で通ってます」と伝えた瞬間に、営業マンの態度が変わって色々と熱心に説明をしてくれたり、帰る間際にも高級そうなカタログを何冊も持たせてくれた・・・という話があります。
そしてこれは厳然たる事実です。
カタログさえ、貰えないかも
事実、カタログは事前審査も通っていない人には無条件に配ることはありません。
なぜならカタログは一般的な中堅・大手以上のハウスメーカーでは1冊1000円~3000円くらいする代物であり、お客さんでない人には軽々と渡さないようにしているからです。
自動車ディーラーでも新車を見に来ただけではカタログくれませんよね?それと同じです。
だから事前審査に通っていないだけでハウスメーカーで不幸な扱いを受けるよりも、先に事前ローンを通す方がよっぽど賢いわけです。
そうすることで、無料配布中のアンパンマングッズを子どものために貰うためだけに来た冷やかしファミリーよりも、沢山家づくりについてのアドバイスを教えて貰えるようになりますからお得なんです。
小森谷
土地探しでもローン未通過はデメリットがある
良い土地はすぐに市場から無くなります。
あなたが良いと思った土地は他の人も良いと思います。
ローン無しの人が「買います」と購入申込書を売主へ送りました。
同時にローン通過済みの人が「買います」と言って購入申込書を売主へ送ります。
この場合、先着順で判断されるとは限りません。
現金化を早めに行いたい売主は「契約日を先に設定できる方に売ります」と言う条件を出すことはよくあります。
当然、住宅ローンが通っていないと「ごめんなさい、ローン落ちました」ということがあり得ますのでローンが通っているのが前提となります。
結果的に、住宅ローンの承認を受けていないお客さんは不利になる→買えないということになります。
よくある質問
よくある質問1
住宅展示場の営業マンに住宅ローンはうちの提携ローンが素晴らしいからそれを申し込みすればオールOKですよ、みたいなこと言われました。
提携ローンによって何が普通の住宅ローン商品よりも優遇されているか具体的に質問してください。答えられなかったらダウトです。
”金利が0.1%特別優遇される”とか、”保証料が5万円安くなる”などちゃんとメリットがあるのであれば、初めて検討の土台に乗ります。
そうであっても、他の”フツーの金融機関のローン”の方が優れていることも多いですから慎重に検討ください。みんな”提携”って言葉に期待しすぎなんですよ。
よくある質問2
注文住宅のお客さんが失敗しがちなポイントを教えてください。
土地と建物の配分。
総額4000万円の予算で、土地1割、建物9割ってパターンは極端すぎて好ましくないです。
こういうお客さんは例外なく資金計画無しで展示場にまず行って夢を見せられてしまって建物予算を目一杯とらされています。
だから土地に割くお金が無くなって、とにかく安い土地を探してますって不動産屋に後から来ます。
木造の家は銀行では22年で価値が0円と見ることもあるため、そんなにバランスの悪い予算比率ですと築年数を経て手放す時は無価値に近くなることも覚悟すべきです。
土地の価値は建物に比べて値下がりしても緩やかだから、よーくそのバランスを考えた方が幸せになれるかもしれません。
まとめ
今回は”展示場に行く前に住宅ローンの事前審査を受けるのが大事。その理由を解説 ~注文住宅編~”というテーマで解説しました。
コツは、家を先に見始めてしまうと「マイホームという夢におぼれてしまう」ので、真っ先に資金計画を立てて事前審査を受けて、無理のない予算をほぼ決めてしまうことです。
しかも審査に承認をもらっていれば、基本的にどこの会社にいっても真剣に対応してくれるはず。
住宅ローンの事前審査は「検討している土地の販売図面+ハウスメーカーの建物見積り」があれば基本的に銀行は審査してくれます。
割とカンタンですよね?
他の土地を買うことになっても、承認が出た予算内であれば基本的に問題はありません。
将来ちょっと高めの理想の土地が出てきた時に備えて、ちょっと多めの借入金額でローン審査をしておくのがコツです。
資金計画相談→無理のない返済額決定→住宅ローン審査→家探し→契約。この順番を忘れずに~!
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