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この記事は次のような人に向いています: 住宅ローンの固定金利の仕組みについて知りたい人・金利の仕組みについて勉強している人・経済ニュースがよくわからない人
すばる
小森谷
全期間固定金利は10年物国債利回りによって決まる
全期間固定金利と言えばフラット35
全期間固定金利と言えば、代表選手は”フラット35”ですよね。
もちろん、普通の銀行でも独自の全期間固定金利を用意してたりします。
全期間固定金利と言えど、金利は毎月変動していっているわけです。
これは”長期金利”を参考にして金融機関が金利を変えているんですね。
長期金利=最低でも1年以上の長い期間、お金を貸す場合の金利
長期金利の代表選手は誰でしょうか?
それが10年物国債(10年国債とも言う)なんです。
特に”新発10年物国債”といって、最新の発行された国債が代表になります。
国債にはたくさん種類がありますが、債券市場(=債券を売る市場のこと。株式市場より規模が大きい!)で1番の人気者が10年物国債です。
だから10年物国債の金利動向は要チェックなわけなんですね。
だって日本を代表する住宅ローンのフラット35や全期間固定金利もこれに影響を受けるんですから。
10年物国債の利回りが上がれば、フラット35や全期間固定金利の住宅ローンも金利が上がります。(金利が下がった方が借りたい人は嬉しい)
参考リンク:日本証券業協会 利率と利回りの違いって何?
10年物国債は日本政府が発行する債券です。
債券というのは借金券、借金チケットと言い換えてもOK。
これを買うということは
「日本政府にお金を貸してあげること」
そう考えても間違いではありません。
財政赤字つづきの国、ニッポン
皆さんもニュースで聞いたことがありませんか?
「日本政府が1100兆円の借金をしている」
「国民1人当たりの借金が800万円を超えている」
「財政赤字が続いている」などなど。
これはまさに国債を発行して、欲しい人や会社に売って作った政府の借金です。
日本政府は稼いだお金よりも使っちゃうお金の方が多いから、国債を発行して借金漬けなわけです。(これを財政赤字と呼んでいる)
とはいえ、何だかんだ言って色々ある債券の中でも国が発行する借金チケットである国債は最も信頼性の高い物です。
いくらNTTドコモやトヨタ自動車が超優良企業でも、彼らが発行する社債(=会社の借金チケット)より日本政府の方が信頼性はあると考えて良いでしょう。
なぜならいつの時代も大企業が倒産する話になると、政府(=国)が救済するという話が出るでしょう?
”公的資金注入”とかね。
ここから分かるのはどんなに巨大な企業と比べても政府(=国)は別格の力があるということです。
日本政府はいざとなれば法律を変えたりして増税したりと策を打てる最強のポジションにいるわけですからね。
10年物国債はどうやって利回りが決まるのか
では、10年物国債の利回りがどうやって決まるのかを見ていきましょう。
10年国債には「国があなたからお金をお借りします。10年後に1億円返します。毎年の利息は100万円支払います。」といった感じで元本と利子について書いてあります。
これを1億円で買った人がいれば、毎年1%の利子、100万円がついてくる。
銀行で預けるよりもよっぽど良いぞと考える人が出れば人気が出ます。
国債を「俺は1億100万円で買うぞ」という人も出てくる。
だから毎日、国債の値段は変動します。
債券市場の規模は株式市場よりも大きいわけですからね。
国債は買い手が増えて値段が上がると、利率(=利回り)が下がります。
つまり買い手の儲けが減るわけですね。
売る人よりも買う人が増える→国債価格アップ&利回りダウン
逆もまた真なりで
買う人よりも売る人が増える→国債価格ダウン&利回りアップ
ということになります。
人気があるかないかで、利回りは上下します。
ちなみに買い手が増えるパターンは色々あります。
①銀行でほぼ利息0円よりもマシだといって国債が買われる
「銀行も不景気でちっとも利息つかんがな!」→「国債でも買うか、銀行より利息良いじゃん」
②株式市場が暴落して安全を求めて国債に人が流れてくる
「株が暴落しまくりでやばい」→「そうや、国債なら安全やで」
①・②のパターンは代表的なものです。
国債が売られるのはこの逆を考えてください。
他にも様々な要因で国債が買われたり売られたりするので、非常に複雑です。
①のパターンにはこんなパターンもあるはずです。
ニュース「ヨーロッパで金融危機が起きました。ユーロよりも安全な日本円を求める動きが活発化しているよ」
→ニュース「みんなが円を欲しがるから円高になっちゃった」
→国内メーカー「円高だから海外から部品を輸入するのがとても割安になりました。よってわが社の製品は値下げします」
→国民「ありがたい、物価が下がった!」
→日本政府「円高不況や。金利を引き下げる方針でいくよ」
※円高不況:円高になると輸出企業は人件費等のコストアップとなり世界での相対的な競争力を失います。色々重なって円高=不景気になります。
→銀行「わかりました、金利下げます」
→国民「銀行の利息10円とかなめてるの?国債でも買おうか!」
はい、とっても複雑ですね。そして経済の流れは連想ゲームのようです。
国債が買われたら国債の価格はアップするので、利回りは下がります。
人気になるほど利回りは減るということです。
そして国債の利回りが固定金利と連動している関係にあるということを思い出してください。
ここから感じて欲しいのは、長い目で固定金利の金利変動を読むのはとっても難しいということです。
だから住宅ローンの金利動向なんてのは、プロでもあてになりません。
金利変動の要因は複雑に絡み合っていますし、その要因にも強弱があってどれが凄い影響力を持つかも将来のことですからわかりません。
なので変動金利で借りるか固定金利で借りるかという質問も、正解はだれも分からないんですね。
だって金利の動きは読めないんですから。
買って損するはずの10年物国債がなぜ買われているのか
2019年現在、日本銀行(=日銀)による金融政策が発動しています。
安倍首相のアベノミクスで「デフレ脱却するぞ、経済盛り上げるぞ」と言う目標を叶えるためです。
デフレ=不景気です。
デフレになると毎年のように物価が下がっていきます。
言い換えればお金の価値がどんどん上がっていく。
だから今年100万円だった軽自動車が、デフレによって来年には90万円で買えるということが起きます。
消費者「来年なればもっと安くなるだろ、買わんでおこう」
こう考える人が出てきます。当然、物が売れなくて会社は儲からない。
奥さん「旦那の給料カット、ボーナスも半月しか出なかった!」
デフレになれば会社が傾くので当然、給料は下がります。
これが毎年のように続いてどんどん不景気の深みにハマるのを”デフレスパイラル”と呼びます。
まさしく最近の日本はこの状況なわけです。
安倍首相はこれを脱却したいから日本銀行に協力してもらっています。
具体的には日本銀行はデフレから脱却するために「国債を買いまくっています」
国債を日銀が買いまくれば、売った側は全員お金を受け取りまくります。
つまり日本中にお金が有り余って、投資するなり誰かに貸すなりするチャンスが増える。
そう、お金の流れが良くなるはずですね。
そうすれば自然と景気は良くなってくる。これが日銀の方針です。
日銀が買う国債の量は半端じゃないです。1兆円とかの兆の単位で買います。
思い出してください。
国債が人気になれば価格がアップするので、利回りは下がります。
なんとびっくり、今の国債はマイナス利回りとなっています。(個人向け国債は除きます)
つまり買えば買うほど損をする国債です。ヤバくないですか?
読者の方には「ああ、日本政府から日銀が直接買っているのかな」と思った方がいると思う。
しかし、それは法律で禁止されています。(リンク:日本銀行の説明サイト)
何故かというと、”自作自演”がいくらでも出来てしまうからです。
日本政府「国も借金があるし、国民は増税反対するし、こうなったら一気に1000兆円分の国債発行して日銀からお金大量ゲットしたろ!」
国の借金は帳消しになるでしょうが、こんなことをされたら国民は敵いません。
お金の価値が激減して物価が超上昇=インフレになってしまいます。
恐らくあっという間にジンバブエドルみたいにコンビニに行くのに大量の札束が必要になってしまうことでしょう。
というわけで、最終的には日銀がアベノミクスの悲願を達成するために国債をポケットに納めることになるのですが、途中にワンクッション挟むんですね。
買えば買うほど損する国債を買っているのは銀行・証券会社
んじゃマイナス利回りが確定するほど価格が高くなってしまった日本国債を買っているのは誰なのか?
主に民間銀行と証券会社なんですね。
マイナス利回りということは「お金を貸してる日本政府に、なぜか逆に金利を取られちゃう=日本政府儲かりまくり」という状況です。
本来1億円にしかならないものを1億100万円で買っていたら、フツーに考えたらおかしい。
お金を出す民間銀行としては儲けるどころか大損する話です。
じゃあ、なぜ民間銀行は買っているのか。
ひょっとしたら民間銀行は頭がおかしくなってしまったのでしょうか?
否。
こんな詰んだ状況からでも大逆転して儲けられる可能性はあるわけです。
自分が買った値段よりもっと高く売りつけてやれば良い。
そりゃそうだが、本当に買う人がいるのか?いたらアホではないか。
はい、います。
ボスである日本銀行です。
だってボスは気前よく1億200万円で買ってくれるんですもの。
これが日本銀行の金融政策です。
ニュースで”金融緩和”とか言われているのは、具体的にはこういうことをやっているんだと私は理解しています。
これ、いつまで続くんだ?って言われながら何年も続いています。
好ましい状況ではないのは明らかですね。
政策の是非には触れませんが、ここで疑問が起きると思います。
しかし、赤字出血を毎年繰り返す日本銀行の狙いはなんなのでしょうか?
それは「金利を下げる」という目的なんです。すべてはここから始まります。
連想ゲームをしてみましょう。
国債を日本銀行が買いまくる→国債を売った銀行は金が余る→お金を貸しやすくなる状況だから、低金利になる→家を買う人が増える、株とか投資する人が増える→景気良くなる→金利上がる
ほら、住宅ローンにもつながりましたね。
今金利が空前の低さになっているのは、国の方針によるものが大きいと言われる理由がここにあります。
つまり私が説明したかったのは固定金利は現在、むっちゃお得ってことです。
だって国債がマイナス利回りという異常事態。
それに連動して固定金利も安くなってるんですから。
この状況は日本政府・日本銀行という最強クラスの立場にあるプレイヤーが作り上げた特殊な状況です。
フラット35を代表とする固定金利の住宅ローンは今、むちゃくちゃ安いってのを実感してもらえましたでしょうか。
小森谷
ちなみに日本銀行はこんな感じで強烈に株式市場にも影響力を出しています。
具体的には上場企業の株を買いまくって(特に日経225銘柄のETFと呼ばれるもの)、今や日本最大の超大株主となっています。
株式市場でも日本銀行が王様に君臨しているレベル。
こちらでもひずみが生じていて、「赤字発表したのに全然株価が下がらなかった」(=裏で日本銀行が買いまくってたから)みたいな謎の現象が見られています。
だから日本銀行がもしも「国債買うのやーめた」「株買うのやーめた」「今まで買ったやつ全部売り払います」なんてことになったら、どれだけの影響が出るのかは想像に難くありません。
日本経済は跡形も無く消え去ることでしょう(^-^;
日本銀行の役割とは?
- お金を発行できる
- 政府の銀行:税金を預かっています。あなたが支払った交通違反の罰金も日銀が受け取ります。どう使うかは政府(政治家)が決めます。
- 銀行の銀行(銀行の王様、銀行のボス)
③について解説したいと思います。
民間銀行はボスである日本銀行に口座を持っていて、ボスから安い金利でお金を借りたり、お金を預けたりしています。
ボスの口座にお金を預けていると、自分の銀行から他の銀行に振り込む手続きも実はとても楽にできます。
りそな銀行の利用客がみずほ銀行の口座に振り込みするときは、日銀のシステムが使われます。
りそな銀行の日銀口座から1万円をマイナスして、みずほ銀行の日銀口座に1万円をプラスしてあげるんですね。
最近ボスは子分の銀行たちが本来の役目である”融資活動”に消極的じゃないか?と気がつきました。
そのためボスである日銀は
「うちの当座預金口座にお金入れっぱなしにしてると、手数料とるからね~。ただ預けてるだけだと、お金減っていくよ。無駄にお金預けてないで良い融資先見つけてね?」
とルールを変えて圧をかけました。
この決まりこそ、マイナス金利政策と新聞で呼ばれているものです。
当然ながら、銀行は青ざめます。
「やばい、融資先はろくに見つけられていないし、余ってるお金どうしよう」
そんな状況で、儲けの種である国債に目をつけたのは言うまでもありません。
興味深いことに、海外機関投資家もマイナス利回りで赤字確定のはずの日本国債を買いまくってるということ。
なぜかと言うと、外国人の立場を活用したら国内外の金利差、為替の取引ルール、日本国債を組み合わせて使うと儲けられてしまうケースがあるんですね。
詳しくはブルームバーグの記事をご覧ください。
まとめ
今回は”固定金利の金利はどうやって決まるの?国債・マイナス金利・日本銀行・異次元金融緩和・アベノミクス・デフレ。色々まとめて面白く解説します。”というテーマで解説しました。
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経済というのは面白くて、調べてみると相互につながりが見えることがあります。
今回は不動産関連から少し飛躍した分野になってしまいましたが、今後も読者の方にとって有用な記事を書けたらなと思います。
今後ともよろしくお願いします。
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