今回の記事では以下のことがわかります。
- あなたが年齢的に団信に加入できるのか
- 団信特約の年齢制限の目安
- 引き受け保険会社の重要性
- 特約付き団信やワイド団信と年齢制限の各目安
これらを理解できれば、特に40代以降の方は団信の特約を有利に選ぶことが可能ですよ。
団信の加入にあたり年齢にこだわる必要がある理由
団信の特約は、生命保険と違って年齢・性別・職業・健康状態等で金額が変わることが基本的にありません。
つまり、20歳の人も、50歳の人も同じ金額を支払います。
20歳でタバコを一切吸わない人と50歳で喫煙歴30年の人が同じ金額を支払います。
もちろん、両者ともに団信に通った場合のお話です。
具体的には借入をする住宅ローンの金利から、0.1~0.4%程度の金利上乗せをする形で支払いをします。
これは一般の生命保険と違う点。とてつもない差です。
お気付きの通り、最もコストパフォーマンスに優れているのは年齢条件ギリギリの方です。
20歳のが30年ローンを組んでも完済時はまだ50歳ですが、50歳の人が30年ローンを組めば80歳です。
どちらが支払い期間中にガン等の病気・死亡リスクに直面するかは明白ですよね。
すばる
そして団信にセットすることができる特約は、そのコストパフォーマンスを更に高めることができます。
この理屈でいくと、特約を加入したいと思う人は若い人ではなくむしろ中年以降の方が多くなります。
40歳前後くらいの人は団信の年齢条件ルールについてあらかじめ知っておけば商品選択の一助となり、メリットを受けることができるでしょう。
団体信用生命保険には年齢制限がある:一般団信のケース
加入スタートできる年齢
基本的に住宅ローンの申し込み可能な年齢条件と一致していると考えてOKです。
具体的には20歳~70歳未満が申し込み可能なイメージでOKです。
すばる
新機構団信の加入要件・保障内容
加入いただける方
【フラット35】の融資を受けられる方で、次の(1)と(2)の両方にあてはまる方
(1)「新機構団体信用生命保険制度申込書兼告知書」の記入日現在、満15歳以上満70歳未満(満70歳の誕生日の前日まで)の方
さすがフラット35といったところで、営利主義ではなく日本国の住生活の向上に貢献するという理念が分かりますね。
15歳以上から利用可能とは!
団信加入可能な年齢=住宅ローン申し込み可能な年齢の理由は?
国営系のフラット35を例外として、他の金融機関は団信を必須の条件としています。
それなのに住宅ローンの申し込み年齢制限と一致していなかったらおかしなことになります。
住宅ローン申し込み年齢が60歳までの方で、団信の申し込み可能な年齢が50歳までとなっていたら51~60歳の人はどうしたら良いのでしょうか?ワカリマセン
というわけで、住宅ローンの申し込み可能年齢と団信加入可能な年齢はピッタリ一致します。
団信の終了年齢もルールがある
基本的に団信の終了年齢は住宅ローンの完済期限と一致します。
具体的には満80歳未満まで加入可能なイメージでOKです。
つまり79歳までは加入状態になるので、死亡時に残債があれば団信の効果によってマイホームの借金はなくなります。
参考記事:住宅ローンと年齢は審査で関係大。44歳までに家を買うのが推奨の理由は?
はい、ここまでが実は前置きです。
すばる
これらは全て一般団信と言われる死亡・高度障害のみという最低限の保障に絞った場合の年齢条件についてのお話です。
事故で働けなくなったり、ガンになって入院したりした場合に備えることができる様々な特約をつけるとなると話はガラっと変わります。
団信に特約を付ける場合の年齢条件
特約アリ:加入スタートできる年齢
リスクを引き受ける生命保険会社と商品内容によって大きく変わります。
目安は50歳未満。
50歳を超えると一気に特約をつけての団信加入ができなくなる金融機関が増える点に注意しましょう。
代表例を何個か挙げていきます。
りそな銀行(埼玉りそな銀行)の場合
団信革命(特定状態保障特約付住宅ローン)
ご利用いただける方
上記商品を新規にお借入れになる方で、お借入時年齢満50歳未満、完済時年齢満75歳未満の方
団信革命は3大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)だけでなく、病気やケガ・要介護状態も網羅してカバーする広範囲の保険内容です。
申し込みできる年齢は49歳がギリギリになります。
JAバンクの場合
正式名称 三大疾病保障特約付団体信用生命共済
ご加入について
加入可能な加入時の年齢範囲は、20歳から50歳までとなります。
こちらもやはり50歳が限界となっていますね。
人気の高い三大疾病保障付を検討するなら、40代までが現実的なところになると思います。
フラット35の場合
新3大疾病付機構団信の加入要件・保障内容
加入いただける方
【フラット35】の融資を受けられる方で、次の(1)と(2)の両方にあてはまる方(1)「新機構団体信用生命保険制度申込書兼告知書」の記入日現在、満15歳以上満51歳未満(満51歳の誕生日の前日まで)の方
みみ
みずほ銀行の場合
がん団信(がん保障特約付リビング・ニーズ特約付団体信用生命保険)
加入対象年齢 満20歳以上46歳未満
ガン保険に対する保障に特化した保険も人気ですよね。
みずほ銀行の場合、45歳がギリギリということで割りと早めです。
引受保険会社(保険を提供・審査している会社)は出典リンクにも明記されていますが、第一生命保険株式会社です。
8大疾病補償プラス・8大疾病補償
適用金利・保険料 「ローン残高」「毎月・ボーナス月の返済額」「被保険者(ローン債務者)の年齢」等によって決まり、住宅ローン返済口座より毎月末日に引き落とされます。
中途解約 可
加入対象年齢 満20歳以上56歳未満
こちらはなんと55歳まで申し込み可能となっており、業界水準よりも年齢条件が緩いです。
8大疾病は3大疾病=がん(上皮内がんを含む)・急性心筋梗塞・脳卒中と5つの生活習慣病=高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎をカバーします。
ということでカバー範囲が広いのが特徴です。
中途解約も可能ということで、団信の特約というよりも一般の生命保険に近いイメージです。
団信の特約の支払い方法で圧倒的に多いのが一律0.1~0.3%程度の金利を上乗せして分割支払いをするタイプです。
それに対して、みずほ銀行の8大疾病補償プラス・8大疾病補償は生命保険と同じで年齢によって料金が変化するなど、ユニークな商品となっています。
引受保険会社(保険を提供・審査している会社)は出典リンクにも明記されていますが、損害保険ジャパン日本興亜株式会社です。
ワイド団信の年齢条件はどうなっている?
ワイド団信といえば、高血圧や糖尿病といった団体信用生命保険に加入しにくい方向けに開発された商品となっています。
加入しやすい分、保険料は高めです。金利0.3%程度を上乗せすることが多い。
一般的に50歳未満、つまり49歳までが限度のイメージです。
イオン銀行の場合
「ワイド団信付住宅ローン」商品内容
ご利用になれる方
イオン銀行の住宅ローンのお借入れ条件を満たし、本保険のご加入をご希望される方で、同時に以下の条件を満たされる方お借入れ時の年齢が満20歳以上満50歳未満で最終ご返済時の年齢が満80歳未満の方
ワイド団信として過去に”うつ病”や”心筋梗塞”も加入実績があるなど、病名を明記しているところが親切です。
イオン銀行のワイド団信は説明が分かりやすいのが良い。
引き受けしている保険会社はクレディ・アグリコル生命保険になります。
参考リンク:【住宅ローン】ワイド団信付住宅ローンとはなんですか? イオン銀行
クレディ・アグリコルはワイド団信の分野では有名です。
三菱UFJ銀行の場合
都市銀行の筆頭格である三菱UFJ銀行もワイド団信を取り扱っていますよ。
商品概要
ご利用いただける方 上記対象商品を新たにお借り入れいただく方で、お借入時の年齢が20歳以上50歳の誕生日まで、完済時の年齢が80歳の誕生日までのお客さま
どうです?
イオン銀行と全く同じ年齢条件じゃないですか?
実はこれにはちゃんと理由がありまして、引受け保険会社が全く同じクレディ・アグリコル生命保険なんですね。
小森谷
みみ
じぶん銀行の場合
ご加入いただけるお客さま
以下のすべての条件を満たす必要があります。
auじぶん銀行の住宅ローンをご契約いただくお客さま
ご加入いただくプランに応じた年齢の範囲内のお客さま
一般団信、ワイド団信:満20歳~満65歳までのお客さま
がん50%保障団信、がん100%保障団信、11疾病保障団信:満20歳~満50歳までのお客さま
保険会社が加入を承諾したお客さま出典:じぶん銀行 住宅ローン
ここで注目したいのがワイド団信が64歳まで申し込み可能ということです。
一般的に50歳が限度のワイド団信が64歳までチャレンジOKというのは、かなり凄いのではないでしょうか?
さらに知っておきたいのが、じぶん銀行の団体信用生命保険を提供している会社はクレディ・アグリコル生命保険なのです。
保険会社が同じであっても、提供する商品によって引き受け年齢条件が変わることもあるのだということが言えるでしょう。
※上記出典から被保険者のしおりという部分をクリックすると保険会社を確認できます。
実はジャパンネット銀行・ソニー銀行などのネット銀行も同じくこの商品を取り扱っており、提供会社も同じです。
がん50%保障団信など、ユニークな商品がありますよね。
ここまで解説してきましたが、特に注意を要するパターンについて触れたいと思います。
完済時年齢にも制限がある場合、35年ローンが組めなくなる可能性も
上記のりそな銀行(埼玉りそな銀行)の団信革命が例えばこれに該当します。
借入時に20~50歳までが申し込み可能で、完済時年齢は75歳未満という縛りがありますね。
ということは、40歳以上の方は35年ローンが組めなくなるということなんです。
返済負担率(=返済比率)が悪くなり、ローンにも通りづらくなる
それの何が問題なのかというと、返済期間が短くなるため返済比率(=返済負担率)が悪化してしまい住宅ローン自体も組みづらくなるということです。
返済比率は全ての金融機関で最重要視するポイントといっても過言ではありません。
極端な話ですが、35年住宅ローンを20年ローンに申込みし直すとかなりの人が住宅ローンに落ちるでしょう。
もしくは返済比率がオーバーしているとして、受け付けさえしてもらえない。
これは返済比率が悪化したことで借入が出来なくなったということです。
なので、40歳くらいの方は団信特約の検討だけでなく、年齢条件等にもしっかりチェックを事前にしておきたいですね。
途中で特約が消滅することもある点に注意
これはある一定の年齢を過ぎると、特約部分が消滅して単なる一般団信(死亡・高度障害のみ)に切り替わってしまう商品が該当します。
すばる
例えばフラット35の新3大疾病付機構団信が該当します。
次のいずれかが到来したときに、保障は終了します。
(中略)
・新3大疾病付機構団信の被保険者は、満75歳の誕生日の属する月の翌月1日からは新機構団信の被保険者となり、3大疾病保障・介護保障はなくなります。
最後まで保障は消えないで欲しいですよね。
そうなるとフラット35も35年ローンを組むことが前提にすると、団信特約の最大限のメリットを受けるには40歳になるまでに住宅ローンを組んでおきたいところです。
実際には、75歳~80歳くらいまで住宅ローンを支払うというのはよろしくないので、繰り上げ返済を皆さんしていますよ。
参考記事:繰り上げ返済のメリット・デメリット。期間短縮タイプと返済額軽減タイプの2つを比較してわかりやすく解説。
ここで言いたかったのは、”団信特約には一定の年齢を境に、消滅する商品がある”ということです。
ちゃんとリスクを把握した上で、加入を検討したいですね。
まとめ:歳を取るほど、団信には加入しづらくなるのが世の常
今回は”団信と年齢 〇〇歳までしか保険に入れないの知ってましたか?”というテーマで解説しました。
コストパフォーマンスで言えば、50歳近くで住宅ローンを組んだ方が団信加入のメリットを受ける可能性は上がります。
しかし、歳を取るほど何かしら身体には異変が起きるのが普通です。
50歳近くの方は20歳代の人よりも格段に団信に落ちやすい傾向があるのは確かです。
定期的に行われる健康診断等で何かしら、異常を指摘されたりしますからね。
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