地盤の強い地域で家を建てることにこだわるのが危険な理由

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地盤の強い地域で家を建てることにこだわるのが危険な理由

  • 2019年/12月/12日
  • 2019年/12月/12日
この記事は次のような人に向いています: 将来の地震が不安な人・できるだけ地盤の良い土地に住みたいと思っている人・地盤のことを知りたい人

地盤の強い地域とは何か

地盤が強い地域=地震に強い地域というような使われ方をしているのが一般的と思います。 ここで考えてみましょう。 地盤の強さを考えるのに必要な要素はどういったものでしょうか? ■土地の利用歴→昔、水田だったとか、沼だったとか聞きますよね。 参考記事:軟弱地盤の代表例=田んぼ。土地の水はけが悪くて冠水被害もある? そんなの、昔から住んでいるお年寄りとかじゃないとわからないんじゃ・・・と思いますよね。 実は国土交通省の国土地理院のホームページで、広く公開されています。 ここで30~50年以上前の航空写真もチェックできます。 ここは久喜市のスマイルホームという不動産会社のブログですので、久喜市ネタでチェックしました。 50年ほど前は『イトーヨーカドー 久喜店』→『水田地帯』だったことが国土地理院の地図・写真によってわかりました。 [say name="すばる" img="https://55smile.biz/wp-content/uploads/2019/08/70e183cf13277317cb6ad93b719b92ed-e1567387288921.jpg"]不動産屋さんで聞くよりもラクで確実な方法だから、活用してみよう![/say]
リンク:国土地理院 地図
■活断層の有無→活断層が近いと地震の被害は大きいんです。地盤が強かろうが、活断層の真上に住んでいればダメージは大きいでしょう。 しかも、日本だけで活断層は約2,000もあります。 そして活断層の真上だろうと、特に不動産売買を規制されてはいないので昔から住民がたくさんいます。
リンク:国土地理院 活断層とは何か? 活断層の数は2,000 日本政府 地震本部 政府 地震本部 活断層マップとリスクレベル
■液状化のしやすさ→大地震による2次被害として有名ですよね。 いくら地盤が強かろうが、液状化しやすい土地では地震の被害は免れません。 ※気になる方は下記リンクで市町村で公開している液状化マップ等をチェックできます。
リンク:国土地理院 全国市町村の液状化マップ 液状化現象の仕組み 東京都

お隣さんが「地盤の強い土地判定」なのに「うちは弱い地盤判定」

これがお客さんが勘違いしている事実です。 地盤の強い地域にこだわっても、いざ地盤調査をしたら「軟弱地盤でした」ということは全然あります。 下記リンクは地盤調査会社の大手であるジャパンホームシールドが公表している地盤サポートマップです。 地元の地盤状況がわかりますので、非常に有用なサイトだと思います。 こちらから地盤状況を見て頂くとお分かりになると思いますが、地盤が強い地域であっても『弱い地盤』が点在しているんですね。 ということはですよ? 地盤が強い地域で良い物件が見つかったとしても、あなたの買った土地が強い地盤かどうかの保証はありません。 [say name="小森谷" img="https://55smile.biz/wp-content/uploads/2019/08/a9f357c06210fb5db7f2cfbf6762d5ec-e1567231372381.jpg"]地盤の強いと言われるような開発地で10棟の建売住宅があるとしたら、1~2棟は地盤改良工事をしている弱い地盤判定となっていることが多いです。[/say]
リンク:ジャパンホームシールド 地盤サポートマップ

地盤調査の結果は色々な理由で変わる

お医者さんのセカンドオピニオンって知っていますか? 主治医が「あなたは胃ガンです」と言ったとします。 しかし、あなたは「本当にそうなのかな?別の先生に見てもらいたい」と思う。 別の先生が「ああ、これは胃ガンではなくて胃潰瘍ですね」と診断する。 これがセカンドオピニオンです。 地盤調査を行って、地盤改良工事の必要性を判断する際にもセカンドオピニオンが存在します。 A社が「地盤改良を行うべきです」となった際、高額な地盤改良費用を捻出するのを不満に思った施主がセカンドオピニオンを求めることができます。 B社に聞くと「わが社の調査では、地盤改良不要という判断となります」となることがあります。 なんでこんな事になるのかを説明します。 日本の地盤調査の方法はスウェーデン式サウンディング試験が主流です。 でも、他の調査方法も存在します。 調査方法が変われば、調査結果が変わります。 結果的に、地盤改良工事の有無が変わることがある。 だから「地盤改良工事をするべき」とA社に言われた土地が「地盤改良しなくていいよ」と言われることもあります。 だから地盤改良をしないで家を建てる人もいます。 極力、工事費のかかる地盤改良をしないためにセカンドオピニオンを活用しているプロの会社もあります。
セカンドオピニオンで地盤改良しなくても、ちゃんと地盤保証も10年つけてくれます。
※公開義務がないので、買う側はセカンドオピニオンを利用している会社なのかどうかは、わかりません。 これを必要経費の削減と考えるか、不安要素と考えるかは難しい問題です。 私個人としては、地盤改良をしている方が安心と考えています。 地盤改良をすることは決して珍しいことではなくて当たり前のことですし、 「地盤改良の必要性がわかれる微妙な土地」なのであれば補強してもらった方が安心だという意見です。

プロの視点:地盤調査会社自身の経営姿勢も影響する

地盤調査会社は、地盤調査をするだけでなく地盤の保証業務も行っています。 一般的にどちらもセットで施主が依頼します。 地盤調査会社が「ここの地盤は強いので、地盤改良は不要です」といった土地で家が傾いたら? 地盤調査会社がリスクを背負って、施主に家の傾きを直すためのお金を支払うことになります。 ということは・・・ 保守的な会社であればあるほど、リスクを避けて地盤調査結果を厳しく判断するということに繋がるんですね。 これが地盤改良工事判定になっていくわけです。 「え?このデータなら地盤改良工事しなくても基礎をしっかり施行すれば大丈夫だと思うけど」 と思うような土地でも、「地盤改良工事をしてください」と言われる。 ここで大事になるのが、セカンドオピニオンなんですね。

まとめ

今回は”地盤の強い地域で家を建てることにこだわるのが危険な理由”というテーマで解説しました。 地盤のことを考えるにも、様々な要素があるのがお分かりいただけたと思います。 地震対策について相談を受けた際に私がオススメするのは、 ①地震被害を抑えやすい耐震等級3の家に絞ること。 ②地震保険に必ず加入すること。 この2点です。 家探しをするにあたって誰でもカンタンにできることだし、効果も高いです。 地震保険は保険料が高いのですが、保険会社の儲けがほとんど無く公的な性格の保険です。 何より、地震で家に万一のことがあった場合、「人生が詰んでしまう」状況になりかねません。 それを緩和してくれる地震保険の優先順位は高くあるべきと考えています。 参考記事:地盤が弱い!軟弱地盤の問題点とカンタンな見抜き方・対策まとめ [say name="みみ" img="https://55smile.biz/wp-content/uploads/2019/08/5a832922bb7d603e273a02b39194f9d4.jpg"]1万円弱だけど毎年の税金が少なくなる地震保険料控除も使えるしにゃ。[/say]
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