小森谷
貧血症で一般的な団信への加入可否を考えます
つまり、死亡・高度障害のみの保障コースです。
加えてワイド団信のように高い保険料(金利0.3%上昇)を支払うこともなくて済むのが一般団信です。
審査の引受基準は医学の進歩とともに変化していますし、極秘事項のため公開はされていません・・・しかし、恐らく以下のようなことを見ているのではないかと予測されます。
- 症状が安定しているか
- 好発年齢
- 発病後の見通し(就業の可否も含む)
- 治療期間
- 入院と手術の有無
- 治療手段
- 再発率
- 合併症リスク
- 障害リスク
- 死亡リスク
障害リスクは一般団信と呼ばれる標準仕様の団信では、規定の状態になりますと死亡と同じく保険金がでますので審査にも関りがあると考えられます。
さあ、見ていきましょう。
貧血症は告知事項で問われます
”過去3年以内に下記の病気で、手術を受けたことまたは2週間以内にわたり医師の治療(指示・指導を含む)・投薬を受けたことがありますか。”
■貧血症
こちらは必ず聞かれる質問の1つです。
質問内はたくさんの病名が並んでいまして、長くなるので省略しています。詳しく知りたい方は下記の記事で解説しています。
ここに貧血症の該当がありますので、聞かれた場合は必ず告知しなければなりません。
貧血症を素人が調べてわかりやすくまとめてみた
貧血症というのは実は診断名ではなく、身体にある血液のヘモグロビン濃度(g/dl←グラム パー デシリットルと読む)が基準値以下になった状態を表す言葉です。
貧血を細分化していくと、病気の名前はなんと10種類以上に分かれてしまいます。
代表的なのは鉄欠乏性貧血ですから、可能であれば正確な病名は医師に確認をしておきたいところです。
とは言え、保険の告知でそこまで求めるのは酷だと思うのは私だけでしょうか?
成人男性で13g/dL未満、成人女性で12g/dL未満にヘモグロビン濃度が低下すると貧血症と呼ばれます。
ヘモグロビンは赤血球内に含まれており、赤血球の大事な役割である体内への酸素運搬は主にヘモグロビンのお仕事。
すばる
赤血球にトラブルが起きると体内へ酸素の供給が上手くできなくなります。
骨髄で赤血球がうまく作れなくなる、約120日の寿命を迎える前に赤血球が破壊されて減ってしまうなどのトラブルがあります。赤血球が減ると顔色が白くなります。
結果、酸素が身体に行き渡らなくなって酸欠状態となってしまい頭痛・動悸・めまい・狭心症・疲れやすくなるなど色々な症状が出てきます。
最終的には心臓に負担がかかって、高拍出性心不全になる可能性もあります。
貧血症を告知する5つのポイント
団信の告知書は正直かつ正確に書くのが鉄則です。
最も重要なことなので何度でも書きますが、不足情報が無いようにすると、審査が通りやすくなります。
不足情報あり→審査担当者は万一の時の責任問題を考えて、最悪のケースを想定されてしまうからでしたね。
①診断名
鉄欠乏性貧血は貧血症の中でも最も多くの患者数となっており、そうであれば書いておきたいところです。
保険会社は不確かで不足している情報を嫌います。
結果的に、悪い方へと解釈してしまい落ちるなんてことはないようにしたいものです。
他には溶血性貧血、再生不良性貧血、腎性貧血、巨赤芽球性貧血(悪性貧血を含む)などの病名があります。
②薬の名前と用法用量
例えば鉄欠乏性貧血の場合、鉄を補うことで回復しますから”鉄剤”を飲んでいることが多いはずです。
主な一般名:硫酸鉄、クエン酸第一鉄、フマル酸第一鉄、溶性ピロリン酸第二鉄、含糖酸化鉄(注射用)、シデフェロン(注射用)
③健康診断や人間ドックの結果を提出
これは任意です。
任意ではありますが、提出することで団信通過の可能性が高まるケースも考えられるために入れました。
提出することでヘモグロビン(Hb)、ヘマトクリット(Ht)、赤血球数(RBC)などが載っているため、貧血の病名を保険会社が理解するのに役立つはずです。
上記の数値があれば赤血球指数というものを計算できるため、どんな貧血かが推測されるということです。
参考リンク:日本予防医学協会 健康診断結果の見方:血液検査
④治療期間
形式としては2018年1月~2020年4月といった感じまで書ければOKです。
必ず聞かれることですので、いつ治療スタートをして今に至るまでの経緯を確認しておきましょう。
完治しているなら、治療完了した時期を〇〇年××月まで書けるように準備しておいてください。
完治した場合もその後は記憶が薄れやすいため、改めて確認をしておきましょう。
⑤入院の有無
これも必ず聞かれることです。
過去に胃癌で胃を切っていたりすると鉄欠乏性貧血を経由して巨赤芽球性貧血を発症することもあるようです。
なぜ、貧血症は団信保険に入れないことがあるのか
めまい、動悸、息切れなどの軽微な症状にとどまらず、隠れたリスクを秘めるケースもあるためだと思われます。
例えば貧血を引き起こしているベースにもなっている基礎疾患には、膠原病、関節リウマチ、慢性腎不全などがあるようです。
みみ
女性の割合が高い鉄欠乏性貧血も、子宮筋腫、子宮内膜症による性器出血が原因とされるケースもあります。
こういった場合は団信の通過可能性が厳しくなることが予想されます。
逆を言えば、こういった要素を否定できれば軽度な貧血症=リスクが少ない疾病として扱われて十分に審査通過の可能性があると推測します。
ワイド団信における貧血症
ワイド団信は金利が0.3%ほどアップするため、一般団信を謝絶(NG)されてから挑戦するものです。
下記にある通り、貧血症がワイド団信での引き受け実績に明記されております。
つまり、貧血症は一般団信で落ちるケースも考えられる疾病だということが予想されるわけです。
血液・造血器の病気・異常
貧血、赤血球・白血球の数値異常など
「たかが貧血だから」とあなどるのではなく、しっかりと告知の準備をしておきたい理由がここにあります。
貧血症でも通った事例(募集中)
現在、貧血症でも団信OKだった方の経験談を募集中です。
住宅ローンを1人でも多くの方に利用頂けるよう、微力ながら貢献したいと思ってこのサイトを運営しておりますので、ご連絡頂けましたら幸いです。
まとめ
今回は”団信と貧血症。鉄欠乏性貧血でも住宅ローンを組みたいという方へ”というテーマで解説しました。
貧血を告知する際には、前もっておくすり手帳や健康診断結果を準備しておけば役立つはずです。
「私は軽度の貧血症だ」という方は、前述しました通り健康診断結果を告知書と共に添付することで良い結果が得られる可能性が高まるはずです。
下記よりLINEでお気軽にお問い合わせください。