この記事は次のような人に向いています: 最近、不動産投資の電話がかかるようになってきた人・不動産投資に興味のある人・悪質な不動産会社のことを知りたい人・不動産屋に騙された人。
みみ
小森谷
ワンルームマンション投資について
結論から言うと儲かりません。
絶対までは言いませんが、絶対に近いくらい儲からないと言えば伝わるでしょうか?
むしろ人生を狂わせる可能性さえはらんでいます。
数ある不動産投資案件の中で最も儲からないジャンルと私は考えています。
- 高すぎる金利=金融機関が儲かります
- 家賃のわりに高い税金=国に支払います
- 高い管理費=不動産会社が儲かります
- 高い修繕積立金=家賃の割にキツイです
これらは対策のしようがない大きな出費です。家賃はそこまで大きくない割に絶対に出ていく費用です。
投資ローンの金利はノンバンク系で3%前後となっており、これくらいの変動金利で借りている人がボリュームゾーンでしょう。
支払い割り当てランキングは1位:利息 2位:管理費またはサブリース契約費用となっており、これらを支払いますと利益は雀の涙または赤字です。
実態は金融機関とマンションを管理する不動産会社を儲けてもらうためのシステムとなっておりまして、どうやって儲けるのか私にはわかりません。
絶対に儲かるのならマンション投資をすすめる営業マンの全員がまず自分で購入しているでしょうけど、実際はそうではないんですよね。
私が知る限りでは、営業マンはワンルームマンション投資をしていません。売りつけるだけです。
※例外として、社長にパワハラの一貫で買わされたりする場合もあるようですが基本的に歩合制に極端に偏っている営業マンでは融資もおりにくいので買えることも少ないです。
儲からない理由と買ってはいけない理由をおじAの事例を元に説明しますので、冷静に見てくださいね。
不動産投資会社とおじAが契約するまで
おじAのスペックは?
一部上場企業の正社員 年収1000万円程度 生活は安定していてゆとりがある。
性格は人柄が良く、おおざっぱ。情報には疎い方かもしれない。
親戚の中で1番お年玉をはずんでくれるなど、気前がよかった。
ひょんなことから素人なのに不動産投資をはじめてしまう。
ワンルームマンション投資を15年間してきて、「これはマズイ」と思いスマイルホームへ相談に来たというわけ。
生活が安定していて、返済もできそうなお客さんは金融機関がお金を貸したい上客です。
こういう人はワンルームマンション投資のカモとして最適です。
融資が出るのだから、あとは買う気にさせるだけでOKですから。
平穏に生活をしているおじAのもとに、たまたま不動産投資会社の営業電話が。
「もしもし、私はお客様の生活をもっと豊かにするための仕事をしています。少しお話を聞いて頂けますか?」
なぜか職場の近くに”たまたま”来る予定があるとのことで、会って説明したいとも。
まあ、この悪魔のささやきがきっかけで、おじAはマンション投資を始めてしまうことになったわけです。
すばる
みみ
電話がかかってくる経緯として、悪質な不動産投資会社に個人情報を伝えてしまうとそれ以降同業の不動産会社からも連絡が来るようになるなど、横のつながりで電話が一緒にかかってくるようになりますよ。
だって、私がそうでしたから笑
思い当たるのは不動産投資会社に勤務していた人との名刺交換、それと上場企業に勤務していた頃の名簿流出ですね。
毎週未だに私の携帯電話に営業電話がかかってきてるので、本当に信頼できる会社以外は個人情報を伝えてはいけません。
立派なホームページに立派な企業理念に立派なスタッフ紹介が書いてあっても、それはそう見せているだけです。
えてしてオフィスも立派なのですが、それは不当にお金を巻き上げる仕組みによって生まれた虚像だと思ってください。
そもそも、名簿を買って電話営業をかけてくるような会社の人間と付き合ってはいけません。
ましてや、高額な不動産を買うなど・・・。
そんなこんなでおじAは話を聞くことに。
そのとき営業マンにささやかれたことが以下のようなことでした。
・ワンルームマンションを持てば都内の大家さんになれますよ。
・手堅く堅実な副収入を得られます。
・ローンの支払いが終われば、あとは家賃収入がずっと入ってくる仕組みができます・
・節税対策にも活用されています。
・何もする必要がありません。あなたは副収入を得るだけです。
・物件購入後、当社が責任をもって管理をします。空き室が出てもすぐに埋まりますし、対応します。
がぜん興味がわいてきた、おじAは営業マンに誘われるがまま、絶賛販売中のワンルームマンションの目の前に連れてこられてこう言いました。
「このマンション(のたった1部屋)があなたの物になるんです。」
と。
なぜか内見はさせてくれなかった。
つまり、おじAは1度もマンションの部屋を見ることなく購入し、今に至るわけですね。
これには言葉もありませんでした笑
私はおじAに営業マンの言葉の本当の意味を教えました。
・ワンルームマンションを持てば都内の大家さんになれますよ。
→そりゃ、なれる。言葉通りの意味しかない。なっても儲けが出なければ余計なストレスを抱えるだけかも。
・手堅く堅実な副収入を得られます。
→利回りを計算したところ、絶望的な数字でした。
満室経営がずっと続いても、年間72000円しかお金が残りません。
そして、毎年かかる固定資産税・都市計画税と火災保険料を差引くとマイナスに転落したのです。
もちろん、空き室になれば管理費と修繕積立金とクリーニング費とリフォーム費と借入金支払いはすべておじAがポケットマネーで支払いです。
つまり、15年間ずっと赤字だったわけですね。
中身としては、買った瞬間に赤字が確定する物件だった。
→不動産投資の真理:買った瞬間に不動産投資の勝負は決まっている。
営業マンは嘘も平気でつきますし、「見せかけの利回りがプラスになっていれば堅実な副収入と言える」と考えているのかもしれません。
実際は税金や諸経費を差引きすると万年赤字の物件ということもあるんですね。そしてこれは別に珍しい話ではありません。
■物件価格2,010万円
■毎月家賃:90,000円
※管理費等を差し引いた金額のため、実は10万円を優に超える家賃になっている可能性もありうる。
■金利3.35%
※ノンバンク系の金融機関でした。やはり高金利。ここでゴッソリ持っていかれますから、金は残りません。
■借入期間:33年ローン
■毎月の金融機関返済額:84,000円
■不動産会社管理料:不明
※管理費・修繕積立金とあわせて完全に不透明
■管理費・修繕積立金:10000円(推定)
※一切の明細が不明なため推定
■クリーニング費・リフォーム費用:不明(驚愕)
※「クリーニング費とリフォーム費用は家賃から差引きますね」との一言で済ませていたとのこと
■固定資産税・都市計画税:11万円
■火災保険:2万円
■広告料・更新費用回収:不明
■15年間の支払い総額:15,057,497円
■支払った利息総額:8,560,343円
■住宅ローン残高:14,100,147円
小森谷
・ローンの支払いが終われば、あとは家賃収入がずっと入ってくる仕組みができます
→33年間赤字経営をし続けた果てのゴールです。あまりの苦行っぷりに常人には厳しすぎます。
私だったら毎日ストロングゼロを飲んでも耐えられる自信はありません。
・節税対策にも活用されています。
→毎年赤字になる仕組みなので所得が減る=税金が減ります。
減価償却費も計上できるので、確かに節税になりますな。
・何もする必要がありません。あなたは副収入を得るだけです。
→サブリース契約も結んでいないので、この不動産投資会社が空き室を埋めなかった時期は毎月9万円以上の赤字損失をおじAが自分の給料で補填することになりました。実際はどんどんお金が減ります。
・物件購入後、当社が責任をもって管理をします。空き室が出てもすぐに埋まりますし、対応します。
→不動産管理についての取り決めも書面でしていない。
お金の流れも完全に不明で責任をもって管理しているとは言えない状況でした。
空き室がでたときのクリーニング費用・修繕費用の請求書さえないので、この会社はやりたい放題です。
初めて見た!とんでもない契約内容に絶句
数々の違法行為と不当な搾取
①契約書に印紙が貼られていない
→売主と買主が連帯して負担すべき税金、印紙税を払わなかったということです。
おじAは不動産取引の素人ですから、不動産のプロに言われなければわかりません。悪質ですね。
宅地建物取引士が不在のまま取引が行われたのでしょうか?
どちらにせよ、コンプライアンス意識などは一切ないヤバい会社であることは間違いありません。
私は1度だけ印紙税を誤魔化す人に出会ったことがありますが、その方は古い契約書の印紙を剥がして、新しい契約書に貼り付けていました。
こういう人は関わらないのが1番良いと思います。
②管理委託契約書を取り交わしていない、サブリース契約もしていない。契約書がない。
オーナーが自主的に管理するのであれば、特に取り交わしする必要がないものです。
今回の場合は管理料を不動産投資会社がとっているにも関わらず、管理委託契約書を結んでいないのが問題です。
要はお互いに合意の上、書面にて管理料を決めてその代わりに不動産投資会社が仕事をする必要があるということです。
もちろん、オーナーが求めれば書面にて取り交わしはしたでしょうが、求めなければ書面すら作らないレベルの会社だということです。
不動産の取引は今回に限らず、よほど担当者が信頼に足り、面倒見の良い人間性の持ち主でない限り情報弱者は徹底的に損をします。
だから私は読者の方に有益かな?と思うことを中心に情報発信をしています。。。
後日発覚しましたが、入居者がいる間だけサブリース契約という扱いにして利ザヤをごっそり抜くという、最も悪質なものでした。
空き家状態の時→大家が自己負担
入居中の時→悪徳不動産屋がノーリスクで金儲け
流石にこれには言葉がでません。
③一度も賃貸借契約書が送られてこなかった。
→入居者が決まれば、賃貸借契約書を必ず不動産会社は作成して、取り交わします。
そして、不動産会社が大家さんに賃貸借契約書を送付します。
当たり前ですよね、真の持ち主である大家さんが入居者のことを一切わからないままではマズイことになります。
これだと売却も難しくなります。
なぜなら、入居者のことを大家さんですら知らないので、次にオーナーとなる買主さんに賃貸経営を引き継げないからです。
それに利回りがいくらなのか、管理料などの毎年かかる固定コストも分からないので、買い手は現れるはずがありません。
入居者が反社会的勢力だったら大変な状況になりますし、最悪のケースを想定するのがプロの仕事です。
まともな不動産会社は腰が引けてしまい、仲介を引き受けることはしないでしょう。
④おじAの連絡先を横流ししている。
空き室となってから東京都のマンション買い取り業者から携帯にたくさん電話がかかってくるようになってきた。
不思議なことに、どの業者もおじAがワンルームマンションの1部屋を持っていることを知っている前提で買い取りの営業をかけてきたんですよ。
これに困っておじAはうちに相談に来たのでした。
なぜ個人情報の連絡先を横流ししているかわかるかというと、通常の手段ではおじAの連絡先を割り出すのは困難だからです。
※オーナーの名前と住所等は法務局というところへ行けば、誰でもわかりますが、携帯電話の連絡先はわかりません。わかるのは不動産投資会社だけ。
マンション販売をした不動産投資会社が個人情報を横流しして、「買い取りの営業しちゃえよ。うちに紹介料をバックするんだぞ」
という話をしているのだと思われます。
おじAが「売却します」と言えば、どこの会社であっても不動産投資会社にはバックマージンが入ってくる仕組みが作られていることでしょう。
そして、売却を不動産投資会社の息のかかった不動産屋だけが取り扱いできるように、おじAに賃貸借契約書を送付していなかったと推測されますね。
要は賃貸借契約書は不動産投資会社が隠し持っているということです。そうすればつじつまがあいますよ。
おじAはそうした制限のもとで言い値で市場価格よりも安く売却を余儀なくされ、更に高額の仲介手数料をぼったくられるということです。
もちろん、安く買いたたいた買い取り会社は再販売をして儲けるので・・・
情報弱者から徹底的に巻き上げる仕組みを考えた人は金儲けの天才でしょうね。
⑤原状回復の修繕費用とクリーニング費用は一切不明。
請求書がないので、毎月の家賃などから差し引かれるだけで処理されていたということです。
本人から聞き取りしたところ、やはり一般的な相場とはかけ離れていました。
もちろん、不動産投資会社は実際の費用よりも高く金銭を請求する”水増し請求”とクリーニング業者やリフォーム業者からも合わせ技でバックマージンをもらっているのでしょうから、ウハウハですね。
こうやっておじAは搾取され続けたわけですね。
契約すると最後の最後まで搾り取る
- まともな説明もせず契約させて儲ける
- ずさんな管理をしながら家賃と管理費とリフォーム費とクリーニング費を搾取
- 最後には賃貸経営に嫌気がさした時に売却でも儲ける
つまり縁が切れるまでずっと搾り取られるということです。
これが1Rマンション投資を推奨する不動産投資会社の実態ということです。
詐欺ですよねこれって。
まとめ
”悪徳不動産屋に私の親戚がカモにされてしまいましたので詐欺の手口と予防法を公開します。”というテーマで解説しました。
詐欺られないための予防法
①名簿を買って電話営業してくるような会社は一切相手にしない。
※そういう会社ほどオフィスやホームページは金がかかっていて、すごく立派です。社長挨拶から何から綺麗ごとがずらーっと並んでいます。
営業マンには「失業していて一切金がない」「自己破産しているからローン無理」とか言えば、私の場合は少なくともその業者からは以後電話はかかってきませんでした。
「名簿から私の名前を消しといてくれ」とついでに伝えてください。その営業マンの同僚からもかかってこなくなります。
※今はGoogle検索にてかかってきた電話番号を入力すれば、その電話番号の持ち主の評判がわかるようになっていますので参考に調べてみてください。
被害を受けてしまったら
不動産業者を指導・処分する立場にある国土交通省や都庁・県庁・府庁・道庁に相談する。
私は上記の対応が最も良いと考えています。
民間の不動産トラブル相談無料の会社よりも遥かに効果があります。
これの効果はテキメンで、やましいことをした不動産会社は手のひらを返したかのように過剰にとったお金を被害者に返金してきます。
また、買主の交渉に急に応じたりもしてくれるようになります。その変わりようにはびっくりしますね~。
なぜかと言うと、不動産会社の営業に対する許可権を持つ都道府県の職員が指導してくれるからです。
営業できなくなったら終わりですから、指導に素直に従うのですね。
みみ
すばる
※国で相談できない民事上のトラブルは弁護士に相談です。
みみ
※東急リバブルさんが不動産会社とのトラブル時に有益な情報を開示しているので、埼玉県民以外の方はこちらで連絡先を確認ください。
おいしい儲け話など存在しない。
なぜなら本当に儲かるのなら、最初に見つけた人がすべて儲けて終わりだから。
物事の本質を見抜きましょう。買う前に信頼できる人に相談しよう。
意外な人がこっそりとやっている副業の代表格である不動産投資。
よくよく物事を見極められる人でなければ危険しかありません。
ちなみに、おじAはなんとかこちらのアドバイスに従って問題を解決するように動き出しました。
まだ傷は浅かったのが不幸中の幸いでした。
口車に乗せられて3部屋まで買い進めていたら、破産していたと思います。
それにしても、お年玉をたくさんくれた人の良いおじAを騙すなんて許せねえ・・・
くれぐれも読者の方は気をつけてくださいね。
参考記事:住宅ローン代行手数料は違法か?埼玉県庁に聞いてみた。
小森谷
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