小森谷
県民共済住宅には特殊ルールが多いので、他のハウスメーカーと勝手は大きく異なります。
今回のブログには是非覚えておいて欲しい事項を凝縮しました。
- 県民共済住宅の家づくりの流れと総額費用が決まるまでの動き
- 住宅ローン・つなぎ融資を意識した動き
- 県民共済住宅ルールの注意点
上記3点を理解できます。
土地探しから家づくりする方に向けて、重要ポイントを県民共済住宅の新築に関わった経験からお伝えします。
特に土地を買う時からお金を借りてつなぎ融資を利用したい人に向けています。
土地を持っているor土地を現金購入する人は県民共済住宅ルールでトラブルに合う可能性がぐっと減ります。
でも、そういう恵まれた方は少ないですよね。
家づくりの流れと貯金がいくらあれば建てられるのかについては以下の記事が役立ちます。
参考記事:土地探しから家を建てる流れ!お金・費用は?貯金0円でいける?
土地の契約をしていなければ具体的な相談はできない
これが知っておきたい厳然たる事実です。
土地の契約無しでは、設計士の担当がつきません。
なので家の設計プラン等を相談することはできません。
家を建てる相談を具体的にするなら、否が応でも土地を見つけてこなくては始まりません。
じゃあ、土地無しの段階では何ができるのか?
- 県民共済住宅の紹介ビデオを見る
- 展示されている主な設備・仕様チェック(お風呂・キッチンとか)
- 費用の概算を相談できる
- 住宅ローン事前審査に必要な概算見積りを作ってもらえる
- 家づくりの流れを教えてもらえる
- 資料をもらえる
対策1:資金計画をする
まず大体いくらの家を建てることができるのかを考える必要があります。
教育資金と老後資金を意識した上での予算が好ましいです。
もちろん無視すれば予算は増えますが、住宅ローン貧乏になる可能性が高まることを忘れないで下さい。
みみ
さらに以下の記事で資金計画をすると無理のない返済金額がはっきり分かるというメリットがあります。
無理のない返済金額→旅行もいけるし、外食もできる、人生を楽しむゆとりがある。
借りられる限度額(借入可能な最大額)→年収を大きく上げない限り、上のようなことは諦めてください。
資金計画はこちらからカンタンに建てることができます。
参考記事:家探し前に10分で出来る資金計画。ぴったりな毎月の支払い額とは?わかりやすく解説。
対策2:住宅ローン事前審査を通しておく
オススメな方法→県民共済住宅で建物費用を1,500万・2,000万・2,500万と予算候補になるように概算見積りをもらいます。
5~10分程度でカンタンにもらえるので、担当の方に頼んでみましょう。
資金計画で決まったことを参考にして、最大予算(家と土地の限度額)を決めます。
不動産屋さんに行って仮の候補として土地をみつくろい、最大予算で住宅ローン事前審査の申込みをします。
あえて最大予算で申し込みをするのは、借りる金額を減額するのは可能だが、後から増やすのは再審査となり困難が生じることを避けるためです。
事前審査OKの効果
①良い土地が出た際に、住宅ローン事前審査に通過していると、購入がスムーズとなり他のライバルに勝ちやすい。
現金購入客にも扱いとして対抗できます。
②住宅ローンという不安・悩みから解放される。
たとえ世間的には高収入の人でも心配される人は多い住宅ローン。
これに事前審査と言えど通過することは家づくりのためにも大きな自信とモチベーションアップになります。
県民共済住宅では土地を契約して手に入れなければスタートラインにさえ立てませんので、ここの準備は早い方が良いと考えています。
これは市街化区域の土地で事前審査に出して、結局は市街化調整区域の土地(価値が一般的に低い)を購入する場合等に再審査の可能性が高まります。
対策3:ハウスメーカーにも行って色々と知識を得ておく
土地なしから県民共済住宅を建てるには、積極的に知識を獲得して家づくりの打ち合わせを早めていく必要があります。
後述しますが、打ち合わせの余裕があまりないからです。
しかし県民では土地契約もしていない段階では家づくりの間取り相談はできませんので、参考のために民間のハウスメーカーや展示場をまわってみましょう。
この時に得た家に関する知識は必ず後で県民共済住宅との打ち合わせにも生きてきます。
一括資料請求ではもらえない資料・パンフレットをもらえるようになります。
おまけに事前審査を通過しているため、真剣な検討客として良い対応や有益な資料・パンフレットをもらいやすくなります。
参考記事:展示場に行く前に住宅ローンの事前審査を受けるのが大事。その理由を解説 ~注文住宅編~
また、ハウスメーカーの良さに気づいてそっちを検討するのもアリでしょう。
県民共済住宅は自分に合わないなと感じて、民間のハウスメーカーに流れる方が一定数います。
すばる
地主に契約を断られることもある
これも県民共済住宅においてはあり得ます。
なぜなら土地の引渡しが通常のハウスメーカーで家を建てる方よりも2~3か月と大幅に伸びてしまう可能性があるからです。
小森谷
代金の支払いに時間がかかるということは、地主である売主さんにとって不都合が生じる可能性があります。
早く現金が欲しい理由がある場合、「そんなに時間がかかるなら売りません」となってしまうこともあるんです。
例えば相続税の支払いとかがそうです。納税リミットが決まっています。
なんであれ、早くお金が欲しいと思っている地主さんからは断られて終わりです。
あなたはじっくりと打ち合わせを行って後悔しない家づくりをしたいためになるべく土地の引渡しを伸ばしたいと思います。
地主さんは引き渡しを特別遅らせたい事情は普通ありませんから、ここの調整をどうするかという問題が生まれます。
大体土地の契約から引き渡しまで早くて3か月~4か月くらいかかるので、その条件を承知してもらう必要があります。
ちなみに、県民共済住宅ルールで打ち合わせ期間は”打ち合わせ初回より最長6か月”と限度が決まっています。
だから基本的には土地の契約から引き渡しも6か月が最長設定になるでしょう。
※地主さんがOKしてくれるかは別の問題です。
古家がある物件だと買えないかも
県民共済住宅では古家があると、敷地調査をしてくれません。
水道調査・地盤調査も同様です。
敷地調査をしないと、間取り確定=建築確認に進めません。
建築確認がゲットできないと銀行から土地のつなぎ融資資金が一生でないことになるので、詰みます。
なので地主さんに解体費用を土地の引渡しの時にお支払いするので、更地で引き渡してくださるようお願いすることになります。
承諾頂けない場合は、諦めるしかないと思われます。
小森谷
値引き交渉も厳しくなる傾向
土地の代金支払いまでに最低3~4か月かかるということを承知してもらうというのが大前提です。
しかもこれは現実的な最短ケースであって、県民共済住宅の打ち合わせが伸びてしまって、引き渡しがもっと伸びる可能性もあります。
さらに値引き交渉もやる!というのはケースバイケースですが上手く行くかはわかりません。
個人の売主さんの場合→お人柄にもよるし、土地の人気度合いにもよる。
不動産会社等の会社が売主の場合→こっちの方がやりやすい傾向にあります。理由は慣れているから。
土地の引渡しには建築確認の許可と総額費用の確定が必要
参考記事:県民共済住宅で家を建てるときにつまづいた注意点・デメリット5つ
こちらで県民独自ルールを紹介していますが、その1つに
”土地の名義があなたになっていないと、請負契約(家を建てる契約)は交わしません”
というルールがあります。
これは土地を現金で買える人にはまったく悪影響を及ぼしませんが、つなぎ融資としてお金を借りる人には大きな影響を与えます。
このルールによって土地の引渡しが最低3~4か月かかってしまうんですね。
(県民共済住宅の提携している銀行も含んだ)銀行は、請負契約書の提出をしてもらえないと土地代金を支払うための融資をしてくれません。
理由はカンタンで、融資の実行前に請負契約書=家を建てるための根拠となる契約書がないと困ってしまうからです。
参考リンク:ARUHI フラットつなぎ 融資条件
例えば住宅ローン大手のARUHIでもそれが明記されています。
でも、県民共済住宅は
「契約しません、あなたの土地名義になっていないじゃないですか」
と言われてしまいます。
なので銀行側が特別に譲歩をします。
銀行「建築確認済証(家を建てて良いことの証明となるもの)の写しと弊社指定の建築計画書(請負契約書の代わりの書類)に署名捺印をしてもらって提出ください。」
という感じで妥協案を出してくれてるんですね。
土地引渡しまでに間取りの確定と総額費用の確定をしないといけない→時間がない
この建築確認の許可を取るという事は、県民共済住宅にとって
- 間取りの確定
- 家の配置の確定
- 外観の確定
を意味します。
売主さんがお金を待っていますので、時間無制限にのんびり決めるわけにはいきません。
すばる
土地無しからの県民共済住宅ルートは打ち合わせの連続であるということです。
この時期はとにかく間取りの打ち合わせを最優先してください。
土地の引渡しまでに間取り・外観・敷地のどの部分に家を建てるかなどは確定していかないといけません。
そうでないと建築確認の許可がとれません
対策:ショールームに行きまくる
間取りだけでなく、オプションやキッチン・お風呂等の装備仕様の決定も同時並行してやる必要があります。
これは特に打ち合わせにはカウントしませんので、どんどんショールームにて好みの仕様を決めていきましょう。
建築確認許可が出た!次にやるのは借りる金額の確定だ
借りる金額をはっきりと決めるリミットが近づいてきました。
リミットは引き渡しの2週間前くらいが目安です。
間取りを決めたら次は仕様・設備・オプションです。
これで総額が確定します。
これがはっきりすれば、あなたが支払う金額は明確になります。
こうなると不動産屋さんに
- 土地の仲介手数料
- 司法書士費用(土地の名義変更)
- 火災保険料
これらの見積書ももらっておきましょう。
借りたい場合は必須です。
ようやくこれで銀行に私にいくら貸してくださいと伝えることができます。
外構工事費用も借りたい場合は、請負契約を結んでおく
外構工事は残念ながら県民共済住宅が行いません。
なので融資をお願いする場合は、外構会社を決めて請負契約を結んでください。
建築確認の配置図(建築確認申請中の図面でもOK)を県民からもらって、外構業者と打ち合わせ及び予算確定をしてください。
そうすれば請負契約できます。
すばる
みみ
無事に土地の引渡し
実はここまで来ると、もうやることはほとんど完了です。
次にやるのは請負契約ですが、もう間取りや仕様も全て決まっていますから頭を悩ます要素はないでしょう。
県民共済住宅はとても真面目な会社なので、”家を建てて良いよ”という建築確認の許可と総額費用が決まってやっと請負契約(家づくりの契約)ができるわけです。
あとは県民共済住宅が良い家を建ててくれるのを見守るのみ。
こう考えると、色々とある制約のために慌ただしかった日々も苦労を前倒ししただけかも。
県民共済住宅ならではのメリットかもしれませんね。
あとは県民共済住宅を信じてのんびり待つ
すばる
あとは電気照明・コンセントの配置・内装設備(壁紙とか)の決定とかですね。
みみ
参考リンク:県民共済住宅 家づくりのスケジュール
まとめ
今回は”土地探しから始める県民共済住宅!県民はルールと総額決定が全て”というテーマで解説しました。
今回の記事でご理解いただいた通り、土地なしからの状況で県民共済住宅の家づくりをしていくのは相当ハードな部分があることがお分かり頂けたと思います。
地主さんとの条件交渉、時間との戦い・・・キレイごとで片付けられない部分もあります。
つまづきやすいポイントについて集中解説した記事はこちらになります。
参考記事:県民共済住宅で家を建てるときにつまづいた注意点・デメリット5つ
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