土地探しから始めて、県民共済で家を建てる人に捧げるブログ記事です。
すばる
小森谷
下記では県民共済住宅の家づくりの流れ、住宅ローンとの兼ね合いも理解できます。
参考記事:土地探しから始める県民共済住宅!県民はルールと総額決定が全て
土地の契約して初めてスタートラインに立てる
土地無しの人でも県民共済住宅に行くことはもちろん可能です。
ただし、以下のようなことにできることは限定されます。
- 県民共済住宅の紹介ビデオを見る(というか見ないといけない)
- 展示物である設備・仕様チェック(お風呂・キッチン・屋根・外壁など)
- 大まかな費用相談と見積もり作成
- 家づくりの流れを説明してもらう
- 資料をもらう
上記の中で見積もり作成は住宅ローンを審査するのに非常に重要だから1度目の訪問でもらっておくのを強くオススメします。
というのも、住宅ローン審査にはこの概算見積もりが必須でこの時にもらわないと二度手間になるのですね。
私が客として行った際には、土地の候補資料を印刷して持っていったところ10分くらいで見積もりをもらえました。
これで住宅ローンの事前審査を受ける準備ができます!!
見積りさえもらえば第一回目の訪問は合格点でして、あとは家を本当に県民共済住宅でお願いするかを決めることくらいです。
参考記事:展示場に行く前に住宅ローンの事前審査を受けるのが大事。その理由を解説 ~注文住宅編~
土地契約無し=設計担当がつかないから、具体的なことは何もできません
これは民間のハウスメーカーと大きく違うところです。
民間のハウスメーカーは土地無しの状態であっても、(脈があると判断された場合は)積極的に提案や具体的な設計案を出してくれたりします。
※買ってもない候補の土地に役所調査してまでプラン提示をする熱意のある会社さえあります。
県民共済住宅では、土地の契約をしない限りは何も進みません。
ここにある家づくりの具体的な流れは全て土地の契約をしている方への具体的なアクションを示しています。
敷地調査・役所調査・地盤調査・設計プラン提示・・・これらは全て土地の契約をした後に初めて依頼できます。
設計担当と話ができるのも、土地の契約後からなので具体的な家の相談はできません。
県民共済住宅の家づくりに時間がかかるのは、土地契約をしない限り話が進まないことにもあります。
なので土地の選定をできる限り早めに選定しなければ・・・となります。
県民共済住宅の家づくりは最短9~10か月かかります。
最長ではなく、最短です。
土地選びだけで半年かかると、家づくりに1年どころか2年近くかかる人もいるくらいです。
土地選びも良い条件になるほどスピード勝負ですから、早めに事前審査だけは受けておくと良いと思います。
買付証明書(=購入申込書)が同じタイミングで複数届いて買えないことは、決して珍しい話ではありません。
小森谷
現金購入≧事前審査OKのお客さん>>住宅ローン未通過のお客さん
不動産業界はこういうヒエラルキーとなっております。
事前OKの人は現金購入客にワンチャン勝てるケースもありますが、売り主が引越し予定や相続税等の支払いで現金化を急いでいるケースでは負けやすいです。
住宅ローン未通過の方が他の方に勝つことはありません。
建築確認済証を取得して、やっと請負契約できる
建築確認済証(=確認済証)とは、新築住宅を建てるにあたって工事前に必ず用意しなければならない書類です。
建築確認申請を行うことで、確認済証を取得できます。
これをゲットすると以下の効力が発生します。
- 建築工事ができるようになる(地盤改良工事や基礎工事に着手可)
- 家の配置・間取り・外観が確定する
- 間取りを容易に変更できなくなる(大幅に変えるのはもうムリってことです)
県民共済住宅では建築確認済証をゲットしなければ、請負契約してくれません。
一般的なハウスメーカーでは請負契約をした後に建築確認済証の取得を行います。県民共済住宅ではこれが逆です。
そのため、あなたは家の間取り・配置・外観を確定してからでないと後述のルールとあわせて土地の名義を移すことができません。
一般的なハウスメーカー→請負契約をしてから、じっくり家の間取り等を相談可能。
県民共済住宅→家の間取り・オプション等を確定&建築確認を取得して初めて、請負契約をすることができる。
みみ
小森谷
土地の引渡しを受けた後にしか、請負契約はしない
これも土地から買って家づくりをする人にとっては絶対に覚えておきたいルールです。
一般的には、土地の売買契約書さえあれば家の請負契約は交わせます。
しかし、県民共済住宅では土地の名義が完全にあなたになっていないと請負契約をしてくれません。
以上の2点ルールによって、以下のような問題が起きます。
結果的に、土地のつなぎ融資が困難となる。
土地の引渡しを受けるには、つなぎ融資を使うことが多いです。
つなぎ融資をしてくれる銀行は融資を実行する前に金消契約(お金を借りる契約のこと)を行います。
この金消契約で”家の請負契約の契約書(原本)”が必要になります。
しかし、いくら請負契約をしたくても県民共済住宅では
「土地の名義があなたになっていませんから、請負契約をすることはできません」
と言われてしまいます。
つまり、ここで書類が揃えられずにローン実行してもらえない=土地の引渡しができなくなるという大問題が発生します。
金融機関の方へ事情を説明し、譲歩してもらって、つなぎ融資を行ってもらうしかありません。
具体的には、請負契約書の提出の代わりに①建築確認済証の写し②請負契約書の雛形または建築の計画書を提出することで銀行側に土地のつなぎ融資を認めてもらうしかなさそうです。
ここで銀行側と折り合いがつかなければ、土地を取得することができず家づくり失敗です。(土地も解約)
県民共済では建築確認申請を名義変更前にすることは可能です。(つまり売主さんの名義の土地に対して建築確認申請することができる)
対策:県民共済住宅ローンを利用しよう。
県民共済住宅独自のルールが多いため、それを予め把握している提携の金融機関で借りてしまいましょう。
具体的には埼玉りそな・武蔵野銀行・さいしん・三井住友・みずほ・JAバンク・川口信金・飯能信金・ろうきん(中央労金)・青木信金ですね。
小森谷
みみ
県民共済住宅では①契約時に20%②上棟時に35%③完成引渡し時に残額の45%と3度に分けて支払う必要があります。
これも自分で借りようと思うつなぎ融資の融資ルールに当てはまるか確認しておきましょう。
これと同じように支払いが出来なければ、自己資金で支払うことになります。自己資金も無ければ、大変マズイことになります。
それでも違うところで借りるというなら、止めはしませんが苦労するかもしれません。
例えば、ローン担当者のいないネット系銀行でやるとなると、つなぎ融資難易度はMAXとなります。(完全に自己責任です)
小森谷
とは言え、県民共済住宅と提携ローンも万能ではありません。
数百万円の諸費用部分(仲介手数料・登記費用・火災保険料とか)を現金で手持ち用意できない場合は、提携扱いにならなかったりします。
自己資金がない等の銀行所定の条件にはまらない人は、提携扱いできないので普通のローンにてご紹介するという現実があるようです。
銀行さんに聞いたところ、提携だからとても楽ってわけでもないようです。
県民共済は土地無しの人にはシステム上厳しい面あり
これは上記の県民共済ルールから導き出される結論です。
土地ありの人は融資面の苦労をすることはない
お客さんは土地を所有している前提で県民共済の契約システムが作られているのではないか?と思うような点があります。
土地の名義が自分になっていなければ、請負契約書を交わさないというのはその最たるものと言えます。
これも土地ありの人なら何も問題がありません。じっくりと家づくりに集中することができるでしょう。
土地なし・土地からスタートの人がすべきこと
土地探しからはじめる方で県民共済で新築する場合は、不動産会社にも「県民で家を建てるので県民の提携ローンを使います。」と絶対伝えておいた方が良いです。
小森谷
県民共済の提携ローンの最大メリットは金利の安さや費用の安さではありません。
何よりも県民共済住宅ルールに対応して融資を確実にしてもらえる点にあります。
県民共済住宅ルールを知らないと、土地の引渡しを受けられないリスク、つなぎ融資で資金ショートするリスクがあり得ます。(これが一番怖い)
提携ローン先に相談をすれば、上述の問題点でつまづくリスクに対応できます。
ポイントは、土地を契約する前の早い段階で提携ローン先に「県民共済で家を建てる」と銀行に伝えて相談することです。
これで上記のつまづきやすい点をクリアできるはずです。
間取りを早めに決めるには?
県民共済で最も時間がかかるのは間取り等の設計打合せ。
土地探しから注文住宅をする人は、つなぎ融資の高金利を気にしながら家づくりを進めていくことになります。
みみ
超人気を誇る県民共済住宅は、設計担当がいつも忙しすぎるという定評があります。
特に土日休みが基本の方はアポを取るのも大変で、設計打合せだけで下手すると3か月以上かかります。
県民共済が言うには平均で3回ほど事前の打合せすることになりますので、フツーの人で2ヶ月程度でしょう。
アポが2~3週間おきになってしまうこともある。
何社かから間取り提案を受けていると方向性が決まってくるため、県民共済に限らず家を建てると決める前に住宅展示場等で気になるハウスメーカーや工務店には複数行っておくと絶対にその経験は役立ちます。
一括資料請求ではなく、直接ハウスメーカーや展示場に足を運ぶことが経験値になる早道です。
外構工事の費用は県民共済住宅の請負契約上の金額に含まれない
県民共済住宅では、外構工事については請負契約書上の金額に含まれません。
なぜかというと、県民共済では外構工事は他の提携している外構業者を紹介するだけだからなんです。
ハウスメーカーだからできること
これは大手ハウスメーカー等とかなり違う点です。
大手ハウスメーカーは外構工事の費用も反映したものを請負契約書に載せてくれます。
家を建てる=ハウスメーカー、外構する会社=ハウスメーカーだからです。
例えば3,000万円で請負契約書を交わしたとしますね。
請負契約書を結んだ時点では外構工事の費用なんて、実際は予想だけでやっています。
後から打合せをしていくにつれて、家の費用が2,500万円で外構500万円だった予定が、家2,700万円で外構300万円に内訳が変わるなんて良くある話です。
つまり、借りる総額費用さえ合っていれば中身の内訳がある程度変わっても問題はないんです。
これって結構ありがたいことなんです、注文住宅ではいきなり断熱性能を高めたくて高性能な窓サッシのオプションをつけたくなるとか良くあるでしょうから。
例えば外構工事を削ってその分、床暖房をつけることも可能でしょう。
県民共済だと出来ないこと
住宅ローン利用者の場合、県民共済ではこれは不可能となります。
家を建てる=県民共済住宅、外構業者=別の会社のためです。
外構工事費用を削って、家のオプションに充てるなどの柔軟な対応はできません。
別の会社ですから、そんなことはできません。
銀行によっては住宅ローン融資の対象と見てもらえない可能性もある
これはすなわち、現金で用意するしかない
ということです。
外構費用は”土地の大きさ”と”どこまでやるか”で大きく異なりますが、200万円前後は用意していないと厳しいでしょう。
外構費用も借りたいのなら、自分で外構工事業者を選定して、見積もりをとって、つなぎ融資の金消契約(お金を借りる契約)の前に請負契約書を交わさなければなりません。
これって結構大変なことなんですよ、県民共済と家の請負契約書を交わすのと同じ時期に外構プランも確定している必要がありますので。まだ基礎も打ってさえいない時期に外構プランまで練れますか?
請負契約書があれば、住宅ローンの一貫として融資をしてくれる銀行はあります。
例えば、フラット35は借りることができますよ。(大体どこの銀行でもフラット35は取扱いをしています)
すばる
県民共済の紹介する外構工事業者は忙しいことが多い
県民共済の協力会社を紹介してくれますが、2020年現在、手いっぱいのため家の完成引渡し時期から1~2か月とか相当の日数を待たないと外構工事が入れない可能性があります。
県民共済からしても、外構業者はスケジュールが遅延する可能性の高いため、自分で外構屋さんを見つけても良いからねと言うスタンスのようです。
そもそも、県民共済住宅自体がむちゃくちゃ忙しい状況ですからね。
私の父に聞いた感じ、10年以上前からずっと変わらず忙しいようです。
外構工事が遅れてしまえば、家の引渡し時に玄関アプローチや車庫の土間コンクリートは無いまま住み始めることになります。
雨降った時とかぐちゃぐちゃになりそうです。
なので早めにネット等で調べたりして外構業者を見つけ、外構工事の見積もりをとって早め早めに動いていきましょう。
外周ブロックについても県民共済の請負契約書の費用には含まれない
これも要注意です。
外周ブロック=家の敷地周りのブロック。更地条件での土地引渡しの場合、無いと即隣地クレームが入る原因になります。(土が流出するため)
一般的には基礎工事前の造成工事にて、外周ブロックを手配することが多いのです。
県民共済ではこちらも自分で手配をしなければなりません。(紹介もしてもらえるが、多忙により希望スケジュールに間に合わない可能性がある)
手配するには造成業者か外構業者を自分で探して決めて、すぐにでも外周ブロックを積んでもらうようにしなければなりません。
土地については不動産屋に紹介してもらっているでしょうから、不動産会社の担当に業者を聞いてみるのも良いでしょう。
小森谷
外構業者と請負契約書を交わさないと、外構費用を住宅ローンで借りられない
外構費用は手持ち資金で支払いOKという方は良いのですが、200万前後はかかるであろう費用を支払うのは大変です。
しかし借りるのであれば請負契約書を結ばないとダメです。
さらに期限は一般的に土地のつなぎ融資の実行前に銀行へ外構の請負契約書を提出する必要があります。
という事情もありますので、お早めに外構屋さん決めは意識しましょう。
県民共済の火災保険を安易に選ばない
私が考える保険というのは、”できる限り人生が詰んでしまう状況を減らすために加入するもの”です。
その点において、県民共済の火災保険では地震で家が全損したときのリスク対応に不安が残ります。
地震等
●地震等による加入住宅の半壊・半焼以上の損害に
ご加入額の5%の範囲内で最高300万円まで●ご加入額が100万円以上の加入住宅が地震等により一部破損(20万円を超える損害)となった場合は、
一律5万円●地震等による加入住宅の被災を直接の原因として、ご加入者またはそのご家族が事故の日からその日を含めて180日以内に死亡・重度障害になられたとき
1人100万円(合計500万円まで)
民間の損害保険会社も検討すべき理由は地震保険にあり
例えば、加入額の5%では全損時に一般的な地震保険が50%を保障するのに対して10倍も差があります。
これでは、万一が起きてしまったときには再起することができないほどのダメージを受けてしまいます。
ここが、埼玉県民共済の火災保険の気になる点です。
地鎮祭は手配してくれない
だから自分で手配しないといけません。
みみ
参考リンク:埼玉県神社庁 埼玉県の神社
上記リンクでは具体的に神社の場所と連絡先が明記されていて便利だ。
新居となる家の近くにある地域を守っている神社にお願いするのも良いだろうし、地域の有力神社や初詣でお世話になっている神社をご存知だろうからそこに依頼するのも良いと思います。
私が仕事でお願いしていたのは、県内出張が可能な神主さんのいる神社であったが、基本的にはやはり地域をお守りする神社の方をオススメしたい。
日本には八百万の神々がおられて、地域には地域の産土神(うぶなすがみ)がおられるからだ。
費用は?
最も簡素なもので5~6万円程度から出来ます。色々とお供え物やら祭壇を設置となるとより高額になります。
目に見えざるものの力はあります。(多分)
そういう力を信じる人、私のようにそういったものを感じて信じるようになった人もやっておいた方がいいでしょう。
参考記事:家と風水には関係がある?幽霊は存在する?不動産屋さんが実体験を語る。
まとめ
今回は”県民共済住宅で家を建てるときの注意3点”というテーマで解説しました。
県民共済は私が不動産業界に入った2013年頃、埼玉県の注文住宅の受注棟数ランキングでダントツのナンバー1でした。まさしく王者。
株式会社住宅産業研究助にて発行しているランキングでしたが、ぶっちぎりだったのを覚えています。
今も王者のままかは不明ですが(恐らく変わらず1位かと思われます)、その圧倒的コストパフォーマンスは圧巻です。
注文住宅の家づくりの流れとお金・費用を解説した下記の記事も是非。
参考記事:土地探しから家を建てる流れ!お金・費用は?貯金0円でいける?
貯金0円で家が建てられるかどうか具体的に解説しました。
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