小森谷
この記事の内容を実践するだけで、建売住宅の失敗・後悔を回避することが可能です。
当店では近隣調査結果を契約前にお伝えします
以下のように住宅地図に近隣調査の聞き込み結果をおまとめし、調査結果を事前にお伝えしています。
これのメリットは、契約前に”道路冠水等の有無”などを事前にチェックすることが出来ることです。
完全に情報を網羅することや信頼性の完全な担保はできませんが、住民の方が正直に答えてくれているはずですので、参考になります。
平日等ですと、なかなか聞き込み結果が得られず複数回の聞き込みを行うこともあります。
ここまでやる不動産屋さんは少数だと思われますので、ご自分でもチェックをしていきましょう。
今回はどうやって聞き込みをしていくかを解説していきます。
直接、近隣住民に聞こう
あなたは、不動産屋さんに家のことは全部お任せすれば安心だと思いますか?
実は、それはとんでもない間違いかもしれません。
不動産歴8年の私の経験上、不動産のプロだって現地の聞き取り調査をおろそかにしてしまう人はたくさんいるからです。
プロでも現地調査不足で失敗するの?
はい、します。その理由は様々で、①大丈夫だろうと油断した②仕事が忙しくて手を抜いた③契約までのスケジュールが強行軍で時間を割けなかった④明らかな知識不足(不勉強)が挙げられます。
つまり、プロでさえ、聞き取り調査をしないまま不動産売買をして失敗に気づくこともあるのです。
本当に信頼できる不動産屋さんを味方につけた方はともかく、それ以外の方には言っておきたいことがあります。
残念ながら不動産屋さんはそこまで当てになりません。
なぜなのか理由を少し解説しましょう。
重要事項説明書には「ゲリラ豪雨による浸水等があることをあなたは容認します」等の1文が、必ず盛り込まれています。
集中豪雨とかで水害が起きることはどこでもあるのだから、とやかく言うな。自己責任だよというわけです。
現地調査をまともに行わずに家を売る不動産屋さんにとっては、この1文はあなたのためではなく不動産屋さんの立場を守るためのものになるでしょう。
随所にこういう1文が契約書・重要事項説明書に盛り込まれていますので、不動産屋さんにとっても都合の良い隠れ蓑になるのです。
ご自分でも行動してください。
たった10分でも良いです。
それがあなたの建売住宅購入を成功につなげます。
私のお客さんは私の目の前で聞いていた
建売住宅を見ていたお客さんが、外に出て行って向かいで庭にある花の世話をしている住民の方に声をかけました。
かれこれ10分以上、笑顔も交えて話しをしている。
「何を話しかけてるのだろう?」
不思議に思った私は、後でお客さんに聞いたのでした。
そしてこれこそが、後悔しない建売住宅を購入するための極意であったわけです。
すばる
小森谷
現地に住んでいる人に聞きたいこと
- 水害
- 騒音・振動
- 臭気
- 地盤
- 過去の土地の利用歴
- 近隣トラブル・事件事故
- テレビの映り
- どのくらい前からお住まいか(情報の信頼度)
以上です。
特に水害は普段目に見えず、深刻な影響を及ぼす要素です。
色々と聞けそうにない場合、水害だけでも聞いておきましょう。
水害については具体的に聞く
浸水するという表現1つにせよ、冠水の程度によって引き起こされるトラブルは全く違うものになります。
- 近くの道路が冠水する
- 前面道路が冠水する
- 辺り一帯が冠水する
- ゲリラ豪雨で側溝・下水道が溢れて冠水する(匂いも出る可能性あり)
- 付近の川が溢れてしまうのが原因で冠水する
どのような原因で冠水するのか?
土地が低くなっているのか、満水になりやすい川が近くにあるのか等。
どのレベルの被害があるのか?頻度は?
近くの道路が冠水するだけで収まっているのなら、万一の場合はそこを避けて行動すれば良いだけで済みます。
しかし、前面道路が冠水すれば車も出せなくなるかもしれません。
というより、車が冠水によって壊れるかもしれません。
こういうケースでは、近隣住民専用の自動車避難スペースが設けられている地域も存在します。
小森谷
参考記事:【冠水被害】水害地域で家を買う前に知っておきたいことまとめ【水災】
騒音・振動
これは日中であれば、建売住宅の中に入って確認すれば分かるわけです。
しかし、寝ている時の感じは体験できないのでわかりません。
心配でしたらやはり聞いておきたい要素になります。
臭気
臭気はいつでも匂っていて分かるものだけではありません。
工場の稼働時間だけ、風がこちらに向いて吹くシーズンだけ、臭いが強くなる夏の暑い時期のみ、など。
特定のシーズンのみ、特定の時間だけ匂いがするということもあります。
例えばキムチ製造などの漬物工場、川の近くにある養豚場などがそうです。
住民でなければ、決してわかりません。
地盤
地盤については当てにならないことも多々あります。
「ここは高台だから地盤が良いよ」と住民の方が教えてくれても、軟弱地盤として地盤改良工事をせざるを得なくなるケースも”多々”あります。
何故かというのは下の記事で解説しています。
参考記事:地盤の強い地域で家を建てても地震はフツーに怖いです。
過去の土地の利用歴
例えば
”昔はここは田んぼだったんだよ”
”ここの辺り一帯が沼だった”
ということがわかるかもしれません。
地盤が弱いかどうかの大きなヒントにもなります。
参考記事:地盤が弱い!軟弱地盤の問題点とカンタンな見抜き方・対策まとめ
軟弱地盤の他にも、産業廃棄物(産廃)やガラ(コンクリートとかブロックとか)やズリ(大きめの石)が埋まった土地かどうかの大きなヒントにもなります。
実際には地盤調査をしたり、試し掘り(試掘)をして穴を掘らないとわからないですけどね。
国のデータでも地歴や地盤を調べてみよう
参考リンク: 土地の成り立ち・土地利用・地形分類 国土交通省 国土地理院
上記リンクから土地の地盤が弱いか強いかが推測できます。
既に使いやすいようにカスタマイズしていますので、設定を変えずにこのままご自分の調べたい地域でチェックしてみてください。
参考リンク:年代別の写真 1988年~1990年 国土交通省 国土地理院
1988~1990年当時の航空写真が見えるように設定しています。
30年以上前にどんな土地であったかを写真で調べることができます。
近隣トラブル・事件事故
非常にナイーブなことですし、個人情報が厳しい時代ですから近隣トラブルについては調査が正直難しいです。
とは言え、聞いてみる価値はあるというもの。
事件事故については、”空き巣多発地域”だとか言った情報が手に入ります。
小森谷
テレビの映り
いわゆる難視聴区域(=電波障害区域)かどうかです。
難視聴区域=テレビの視聴等に影響がでます。
参考リンク:難視聴地域 Wikipedia
テレビが見られないと困りますよね?
でもこれは「テレビの視聴ができないケースがあります。その場合はケーブルテレビ等に加入してみてください。」という1文で片付けられます。
ですので、不動産屋さんは難視聴区域かどうかにはほとんど興味がないのが実情です。
携帯電話の利用にも関わりますが、これは自分でアンテナの本数をご確認ください。
みみ
アンテナが見られない場合、ケーブルテレビでテレビを視聴している可能性があります。
※ケーブルテレビ=メリットとしては色々なチャンネルが見れる、インターネットも利用可能です。毎月のコストがかかるのが難点です。
こんな時は聞いてみるのも手です。
この地域にお住まいになって何年くらい経つか
これはお聞きしてきた情報の信頼度・信憑性に関わる部分ですので必ず聞きましょう。
受け答えをしてくれるということは既にある程度、こちらに好意を持って接してくれている証拠です。
自然な流れで聞けると思います。
聞き方のコツとちょっとした気遣いで上手くいく
聞きやすい方から声をかけるのが必勝法です。
現場の付近を歩いてみましょう。
外で庭いじりをしていたり、洗車している方等にお聞きするのが最優先です。
ご年配の方が最も良いです。
なぜならそこを地元に、数十年単位で住んでいる可能性が高いからです。
しかも、礼をもって接すれば質問のお時間を頂きやすい。
在宅の方にお聞きするのもありですが、インターホンを鳴らして「ここら辺の土地のことをお聞きしたい」旨をお伝えするのは結構ハードルが上がりますので次点になります。
私の場合、お時間を頂いたお礼にティッシュ箱やペットボトルのドリンク類を用意してお渡しをしています。
ちょっとした気遣いですが、喜ばれます。
反社会的勢力の事務所・家の見分け方
稀にですが、意図せず反社会的勢力の事務所・自宅等が付近にあるケースがあります。
間違って聞き込みに行かないように、見分け方を伝授します。
これらに該当する場合、反社会的勢力の可能性がありますので聞き込みは避けましょう。
他にも頼りになるのはこんな方々だ
警察官・交番のお巡りさんは物知りだ
スピード違反の取り締まりや町の治安を守るためにいつも車で町を巡回しているお巡りさんは、地域の事情を良く知る人です。
いうなれば地域事情に精通している賢人。
不動産屋さんも同じく詳しい立場ですが、物件のデメリットをあえて言わずに隠す可能性もありますので信頼度が劣ります。
お巡りさんに尋ねることで
「あそこは大雨の後に真っ先に水没する」
「あの地域は夜は真っ暗で事故が多い」
など、あなたが知らないことを教えてくれるでしょう。
でも、決して質問を長引かせて仕事の邪魔をしないようにしてくださいね。
商売をやっている方に聞くのも良い
ずっと地域で仕事をし、変わりゆく街を見守ってきた地域の方はあなたが買う物件の周りを良く知っているでしょう。
特に聞きやすいのは物件から最寄りの飲食店、酒屋さん、タバコ屋さん、花屋さん、パン屋さん、新聞屋さん、コンビニでしょうか。
彼らのビジネスの邪魔にならないように、商品も買うと良いかもしれません。
あなたが必要としている有益な情報を快く教えてくれるはずです。
例えば新聞屋さんはオーナーを含めて担当するあらゆる地域に新聞配達をしています。
小森谷
毎日雨の日も雪の日もバイクに乗り、裏道も含めて様々な道路を通って、さらに集金までしていることも多いからその地理感覚は素晴らしいです。
「あそこのお寺は雨の日に行くと、(お化けが)出るんだよ。配達員はおっかなくて誰も行きたがらないんよ。」
等、色々地域のエピソードを教えてもらったこともあります。
小森谷
使う予定のバス、駅までのルートは事前に歩く
これも面倒くさがらずに歩きましょう。
たった1回でも歩けば、気付くことが沢山あります。
街の雰囲気・表情、感覚的に好きか嫌いかの印象。
なんとなく居心地が良いのか、悪いのか。
これは実際に歩いてみないと分からないことです。
実際に歩くことで、感覚的に何かをつかむ
道路はどこも狭いのか、広くて歩きやすいところがあるのか。
川がある、お墓がある、学校がある。
道中、車がどんどん通って騒がしいのか、静かなのか。
危ないのか、安全なのか。
人が集まりやすい施設があるのか、ないのか。
どうしても忙しくて・・・という人は、せめてGoogleマップを利用して街並みを見ることもできます。
まとめ
今回は”土地の購入や住宅購入での近隣 調査のノウハウを一挙公開します ”というテーマで解説しました。
今回のお話は実際に私が出会い、私が学ばせて頂いたお客さんがとった行動も含めて紹介しています。
私は道路冠水する地域に住んでいた経験もあり、とーーーーーっても不自由を強いられた経験がありますので、冠水地域には敏感です。
大雨が降るたびに車を避難させて土のう袋を積まないといけない所には住みたくありません。
それでも段々と慣れてしまうものですけど、好んで住もうとは思いませんね。
今回の記事を実践すると、不動産屋の担当としても「ここまでするのか!」とお客さんの熱意・真剣さがこちらに伝わり、その後の対応もきっと良くなるはずです。
小森谷
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